印刷用ページを開く

商学部かわら版 商学部のいまが見えてくる。必見情報満載!

芥川賞作家・羽田圭介氏 講演会(2015年10月20日開催)

2015-11-30

作家・羽田圭介氏講演

 最近、羽田さんをテレビで見ることが多くなりました。また、ラジオや講演会などにも多く出演されているとも聞きます。そんなお忙しい中、今回は明大商学部の後輩のためにご講演と鼎談で多くのお話をしてくださいました。

 まず、ご講演の概要を報告します。

① 明治大学付属高校・中学、明治大学での思い出
 東京生まれですが、小学校二年生の時に埼玉に転居し、そこから明大付属中学・高校、明治大学商学部に通学。その長い通学時間の間に読書をしていたことが結果的に文章修行となりました。大学受験をする必要がなく時間があったので、高校2年の時に小説を執筆し、その作品がいきなり文藝賞を受賞。高校生にして小説家デビューをすることになりました。
 明治大学では、文学部ではなくそこから遠いと思われる商学部をわざわざ選びました。でも、文章を書くのが得意だったので文学部に進んだ方が楽できたかな(とユーモアを交えて話す羽田さん)。結果的には、商学部に進んで世界が広がり、正しい選択をしたと思っています。
 しかし、在学中はまじめな学生ではなく、授業をさぼってサークルの友達と過ごすということもありました。ほとんどバイトはせずに、文学賞の賞金を取り崩してお小遣いにしていました。今から思えばバイトをしていろいろな経験をしておけばよかったと思います。ゼミは金融システムを研究する折谷ゼミに所属。当時研究していた内容は忘れてしまいましたが、専門用語などをふと思い出すことはあります。

②なじみを作るということ
 学部時代に勉強したことの多くは忘れてしまいましたが、その学問になじみができました。文系の学問は、本を読むなどして独学できる場合が多いものですが、それでも実際に勉強するとなるとハードルが高いもの。でも、その勉強になじみがあればその世界にすっと入っていけます。難しい経済書であっても、大学で聞きかじった用語が出てくると読み進めることができるものです。
また、学生時代は埼玉に住んでいましたが、明治中・高・大学は東京にありますので、多くの時間は東京で過ごし地元意識は希薄でした。それでも埼玉にはなじみがあり近しい感覚があります。積極的にいろいろなコミュニティに参加してみるとか、興味のない授業に出てみるとか、若い時代になじみを作ることをお勧めします。好きなこと、興味のあることしかしないというのは、かえって世界を狭めることにつながります。好きでないことを強制的にやらされたことで、むしろ自分を変容させることになりました。
 
次に鼎談の内容で特に印象に残ったことを御紹介します。

① 大事にしていること
 小説の完成度を高めること。売れる本と完成度の高い本は必ずしも一致しません。もちろん、本が売れることは望ましいことですが、売れる小説ではなく完成度の高い小説を書くことしか考えていません。それ以外のことには興味がありません。決して世間に迎合しません、信念を曲げません。

② 歩み寄るということ
 マスコミは、極論を言いたがり、その言葉で人を焚きつける傾向がありますが、実際には異なる価値観を持つ人が、極論ではない中間のところに歩み寄りわかりあおうとするということが現実に近いのではないでしょうか。
 
羽田さん、ありがとうございました。今後のさらなる御活躍をお祈りしています。

なお、講演の実施報告については、以下もご参照ください。
http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2015/6t5h7p00000jmdu3.html