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明治大学商学部と「工業経営研究学会」

2016-10-14

風間 信隆

 経済のサービス化・グローバル化が進展する中でも、我が国経済の基本は、モノづくり(製造業)にあると言っても過言ではありません。総務省・統計局の平成24年の「経済センサス」データによれば、我が国企業総数412万のうち、約10%の43万企業で売上高合計1,336兆円の26%、付加価値額合計245兆円の23%を占めております。こうした点からも「ものづくり」は我が国経済の基幹産業と言っても過言ではありません。

 こうした製造業(工業)の経営の在り方を専門的に研究し、学問的交流を図る場として「工業経営研究学会」は1986年に設立され、2015年の夏には明治大学駿河台キャンパスを会場として「学会創立30周年記念大会」が「ものづくり革新と工業経営研究の課題」という統一テーマの下で開催されました。現在、全国の各地の大学の教員を主たる会員として工業経営研究学会は会員数350名で組織されておりますが、なかには韓国、台湾、中国の研究者も会員に名前を連ねております。本学部の山下洋史先生、富野貴弘先生や西 剛広先生などが当学会の会員としてご参加され、学会活動でも中核となって活躍されておられます。また現在、名誉教授に就任されている金子逸郎先生もこれまで学会の発展に大きく貢献されてこられました。

 学会では年一回の全国大会の他に、北海道、東日本・中部・関西・九州部会という地域別、さらにはグローバリゼーション研究分科会、環境経営学研究分科会などの課題別の分科会活動が組織され、それぞれの分科会が年数回、工場見学会・研究交流活動を行っています。

 なかでも全国各地の大学に所属する、多くの会員が参加するのが全国大会です。2015年度から3年間の統一論題のテーマとして「モノづくりの革新と工業経営研究の課題‐日本の再生‐」というテーマを掲げ、日本のモノづくりの革新(イノベーション)の活性化に向けた諸課題を巡って活発な議論を行い、その成果を社会に発信しています。

 2016年度は福岡大学七隈キャンパスを会場として「日本の再生と工業経営研究の課題」というテーマの下で、9月8日、9日、10日の3日間開催されました。大会期間中、トヨタ自動車九州株式会社の工場見学の他、17本の自由論題報告と3本の統一論題報告があり、活発な議論が展開されました。本学部の山下洋史先生も昨年に引き続いて報告され、高い評価を受けました。

特別講演の様子

 今日、日本経済の深刻なデフレ、グローバルなレベルでのコスト削減競争の激化、「円高」に伴う生産拠点の海外移転と国内空洞化(地方の衰退)、あるいは「少子高齢社会」、製造業のグローバル化と海外移転、新興国の台頭、地球環境問題の深刻化が我が国の製造業にマイナスの影響を与えておりますが、同時にモノづくりのサービス化、人工知能(AI)技術の加速度的発展、あらゆるものがインターネットで繋がる第4次産業革命がモノづくりの高度化のチャンスを拡げています。こうした製造業を取り巻く環境変化を踏まえて、我が国製造業の再生、さらには日本経済の再生に向けて、当学会の果たすべき社会的使命は極めて大きいと考えております。