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世界に開かれた経営と情報の研究の場:日本情報経営学会

2016-11-07

村田 潔

 受験生の皆さんには,「学会」という言葉はあまりなじみのないものだと思います。学会というのは,大学や研究所,あるいは企業をはじめとする組織の研究部門などで働いている研究者の組織であり,研究上の興味を共有する人たちが,研究の進展とそれを通じた社会への貢献を目的として集う場です。研究にはさまざまな分野があり,それぞれの分野で学会が組織・運営されています。

 私が2016年5月から会長を務めている日本情報経営学会は,1979年11月にオフィス・オートメーション学会として設立され,2007年4月から現在の名称に変わりました。創設時から一貫して,企業をはじめとする組織の経営における,コンピュータを中心とする情報通信技術(ICT)の利用に関わる,さまざまな問題について,経営学,情報科学,情報工学,社会学,哲学など,多様な研究領域における知識と知恵を融合させる「学際的アプローチ」に基づいて研究を進めてきており,現在,約700名の研究者が会員として参加しています。

この学会の主な活動には,以下のようなものがあります。 (1)年4回の学会誌の発行  この学会が目指す研究の進展にとって有益であると評価された和文または英文の論文を掲載し,公表するための学術雑誌『日本情報経営学会誌』を編集・発行しています。掲載される論文のクオリティは,学会員による審査(査読)によって保証する仕組みをとっています。審査の結果,掲載不可と判断される論文も多数存在します。 (2)年2回の全国大会の開催  毎年,春と秋の年2回,日本国内で,会員の研究内容を口頭で発表する機会を設けています。会員が行っている最新の研究内容について,研究者同士で討論をするための場であり,研究が独善的なものにならないためにも,非常に重要な催しです。今年は,5月に東海大学湘南キャンパスで「知のコラボレーションとICT」をテーマに,9月に福岡の九州産業大学で「人・モノ・情報―組織の活性化を目指して―」をテーマとして,全国大会が行われました。 (3)4年に一度の国際会議の開催  オリンピックイヤーに国際会議Asia Pacific Conference on Information Management(APCIM)をアジア太平洋地域で開催しています。この国際会議は,これまで,アメリカ,オーストラリア,韓国,中国などで開催され,今年のAPCIM 2016は10月にベトナムのハノイ市で行われました。アジア太平洋地域だけではなく,ヨーロッパなどからも研究者が参加しています。使用言語は英語で,研究報告とその内容に関する質疑応答は,すべて通訳なしで,英語で行われます。研究活動に国境はありませんので,こうした機会を設けることは,研究の進展にとって特に重要なものです。 (4)研究プロジェクトの実施  研究プロジェクトは,この学会の目的に照らして,特に重要だと判断される研究テーマについて,短期間(2年間または4年間)に少人数の研究チームを組織して研究を行うための仕組みです。学会として研究プロジェクトに資金援助を行い,論文や書籍の形で研究業績をあげることができるようサポートしています。

学会では,学生の皆さんにも研究活動に参加できる仕組みを整えています。大学入学後,興味のある人は,是非,学会での研究活動を考えてみてください。
日本情報経営学会ウェブサイト:http://www.jsim.gr.jp/index.html
日本情報経営学会Facebookページ:https://www.facebook.com/jsimsecretary/

APCIM 2016のために世界から集まった研究者たち
APCIM 2016の様子が現地の英字新聞(Viet Nam News)で報道されました。