卒業生訪問

2024.07.24

商学部から大学院へ!  大学院商学科ー羽部ひかりさん

商学部3年 近藤 源斗〔商学部の現場〕編集記者

本サイトの「卒業生訪問」カテゴリーでは、商学部を卒業して企業で活躍される先輩方の話を読むことができる。
しかし、学部卒業後に就職ではなく、大学院に進学する道もある。
今回の記事では、商学部から大学院に進学した

明治大学大学院商学研究科―経済系列―博士前期課程1年の羽部ひかりさん

に取材し、大学院や学部生時代にどんなことをしていたのか話を聞いてみた。

 

大学院で学んでいることは

羽部さんは、大学院で「大学進学率はどのような要因できまるのか」をテーマとして、実証分析をする研究計画を立てていると言う。このような研究テーマにしたきっかけは、地方出身の友人から話を聞いたことだった。

「自分は都内の中高一貫校で過ごして、周りは大学進学がほとんどで、進学が当たり前だと思っていたけど、地方では必ずしも進学するわけではなく、企業に就職する高校生もいる。大学進学しない選択肢があることにびっくりしたことがきっかけですね」

 明治大学は、キャンパスが都心に位置することから、東京を中心とする首都圏出身の学生が多い。その一方で大学進学と同時に地方から上京してくる学生も少なくない。羽部さんは都内出身だったこともあり、地域によって進学率に想像以上の差があったことに驚いたそうだ。そこから、進学率に興味を持ち始め、具体的な研究テーマは最近になってようやくまとまってきたと言う。

「 実は研究テーマはまだすべりだしはじめたばかりなんです。大学院に入学したら、まず研究テーマを決めるのですが、そのための本をゼミで輪読もしました。数あるテーマの中から分析手法も考えて、テーマを決めることはとても大変でした。もうそれだけで1冊の本ができるくらいなので(笑)。ただ、大学院に進学するときにテーマが必ず決まっていなければならないわけでもありません。私が所属する畑農ゼミでは経済に関することであれば、なんでも研究できると思います。気になっていることを自由にとことん研究できることは、大学院のいいところですね」

商学部生で取り組んだこと

羽部さんは、学部時代に所属していた澤井ゼミでの活動が最も印象に残っているという。実際に「『笑い』でフレイル予防 --『笑えるスポーツ』で高齢者を健康に--」という発表テーマで「スポーツ政策学生会議2022」にて優秀賞を受賞している(詳細は下記リンクへ)。フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態の中間の状態だと、羽部さんは教えてくれた。

【商学部】澤井ゼミ「スポーツ政策学生会議2022(Sport Policy for Japan;SPJ2022)」にて優秀賞を受賞 | 明治大学 (meiji.ac.jp)

「ゼミでは、フレイル予防のための笑えるスポーツを開発しました。フレイル予防は、精神・身体・社会参加の3つをすべて満たす必要があります。その要素に合うのが「笑い×スポーツ」の組み合わせではないかと考えました。スポーツは体を動かせるし、他の人との交流も生まれます。そこに、笑いの要素を加えることで精神の健康にもアプローチしながら楽しく予防ができると考え、ゼミのつながりで川崎のサッカーチームと協力して活動をしました。そのサッカーチームは、社会貢献として地域住民の方とスポーツと健康を促進するための活動に積極的に取り組んでいるんです。そこで身体的負荷があまり高くなく、笑いの要素も備えたスポーツとして、ホワイトボードと靴下を使った玉入れと地域の特産品である鷺沼カルタを使った輪投げなどを共同開発しました。サッカーチーム主催の高齢者向けイベントの参加者に、開発したスポーツを体験してもらい、アンケートも作って集めました。最終的にSPJ(スポーツ政策学生会議)では優秀賞もとることができ、奨学論文にも応募して賞をもらえました。ゼミで仲間と一緒にひとつのものを作り上げた経験は、本当に楽しくて印象的です」IMG_9354.JPG

(羽部さんが、SPJで受賞した際の表彰状)

羽部さんは、このゼミでの経験や「経済政策論」の授業が大学院進学に大きな影響を与えたという。

 「経済政策論の授業では、「失われた30年」など日本経済が抱える問題を解決するための政策についてデータ分析も併せて考えました。ゼミでもこの授業でもそうなのですが何かデータを集めて分析して、自分が考えていることを形にすることが楽しいと感じました。そこから、このまま就職でなくもう少し勉強したいなという意欲が湧いてきて。そのことが大学院進学を決めたきっかけのひとつでもありますね」

羽部さんが考える商学部の魅力

「商学部の魅力は、様々な学問を幅広く学べる事。それでいて経済や金融など実学についてもしっかり学べるところだと思います。経済や金融の知識って社会では役立つけど、自分1人で勉強するのは難しいと思うんです。それを大学生の内から指導してもらって勉強できるのはすごくいいことだなと。それだけでなく、商学部はファッションなどの文化についても学ぶことができる。私は、元々経済だけでなくいろんなことに興味があったので、同じように様々な勉強をしてみたい人にはとてもいい学部です」

商学部は、1、2年生で幅広い学問を学んだ後に自分の専攻を決める6コース制を採用している。哲学や言語―歴史など文化も学びながら、社会で役立つ実学を2年間しっかり学ぶことができる。

「あとは人数が多い分、色んな人に出会えます。私は必修の授業の教授が海外の先生だったのですが、夏休みにインターンに誘われ、ひたすら英語でメールを書いたこともあります(笑)。本当に面白いことや、たくさんの経験ができて楽しかったです」

商学部では、羽部さんがおっしゃるように様々な学問を深く学べる場所だ。
さらに、好きなことを探求できる大学院進学も選択肢のひとつとして考えてみるのはどうだろうか。

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 (2023年度第54回商学論文授賞式の際の写真)

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