2024.08.05
ゲストスピーカーによる特別授業実施報告:工藤泰子氏【テーマ:気候市民会議をやってみる】
森永由紀(担当教員)
1.実施日
2024年7月18日(木)15:20 ~17:00
2.実施場所
和泉キャンパス メディア棟402
3.科目名
総合学際演習2年
4.ゲストスピーカー
工藤泰子氏(肩書:元日本気象協会 環境・エネルギー事業部環境解析課 主任技師)
5.実施内容
気候市民会議とは、無作為に抽出された市民が全6回程度の会合に参加し、科学的知見を得て、対話と熟慮と投票を繰り返し、気候変動対策をまとめ、提言するというもので、近年、日本を含む世界各地の国や杉並区のような地方自治体でも実施されています。当ゼミでもそれを疑似体験すべく、長らく気候変動政府間パネル(IPCC)日本事務局の仕事をされてきた工藤先生をお招きして気候変動に関する専門知識を講義していただきました。この日に向けて、ゼミでは温暖化に関して私たちにできることは何か、という文献類を読んだり、例としてキャンパス内でできる環境対策について提言をするための話し合いを持つなどの準備をしてきました。
授業では、1~2℃の地球の地上気温の上昇が「沸騰」と表現されるほどの危機であり、人間がそれをもたらしていること、極端気象の増加や激甚化に地球温暖化が寄与していることなど、わかりにくいことを最新のIPCC報告書の結果などを元に説明していただきました。内容はやや高度だったかもしれませんが、図表がとても工夫されていて、理解の助けになりました。
工藤先生による授業後のアンケートで、1)授業を聞いて今どんな気持ちか、2)2030年に自分や世界がどうなっていると思うか、に率直に答えるために無記名で回答してもらったところ、気候変動に対する無力感や、その影響が自分ごととは感じられていないという傾向がみられました。今後は、私たちがなぜ気候変動問題を身近に感じることができないのかから考えていきます。当ゼミから、気候変動に関する杉並区の施策に関する提言を出すことを目標にして、工藤先生に引き続き助言をいただきながら学びを深めていく予定です。