2026.10.26
2026年10月25日の日本マーケティング学会カンファレンス2026にて、加藤拓巳ゼミの学生が以下2件の研究成果をフルペーパーとして発表した。
著者:伊藤佳音, 岩宮悠, 及川江里子, 姜炅旼, 福島みちる, 加藤拓巳
題目:生成AIサービスにおける消費者の態度と行動の乖離
―コンセプトには科学的正確性,実際には強い断定表現を求める消費者―
概要:生成AIサービスにおける消費者の態度と実際の行動の乖離に着目し、サービスコンセプトと誤情報提示時の対応方法をランダム化比較試験で検証した。サービスコンセプトでは、「絶対的な正解」と「科学的正確性」を比較し、後者の方が魅力評価が高かった。一方、誤情報提示時の「強い断定表現による否認」「謝罪」「謝罪と再発防止策」の3条件を比較した結果、否認は謝罪よりも魅力・実用性・共感・信頼の評価が高く、謝罪に再発防止策を加えた場合も、有意差はないものの否認の方が高い評価となった。これらの結果は、消費者がサービスのコンセプトには科学的正確性を求める一方、実際の利用場面では強い断定表現を高く評価する傾向を示している。さらに、企業が継続利用率や満足度の最大化を目指す場合、情報の正確性よりも、真偽にかかわらず力強く断定するサービス設計を優先するリスクを示唆している。






著者:鈴木大翔, 倉田陽生, 坂巻駆, 佐藤賢介, 加藤拓巳
題目:AIの有料プラン選択率を高める有料化の目的と理由の検証
概要:AIサービスでは開発・運用コストの肥大化と、電力・水の大量消費による環境負荷が深刻化している。一方で、消費者の受容を得られる有料化の方法については知見が不足している。本研究はこの問題に焦点を置き、有料プランの目的と有料化の理由説明が有料プラン選択率に与える影響を、20-60代のAI利用者1,600人を対象としたランダム化比較試験で評価した。有料プランの目的に関する検証では、性能強化よりも広告回避を目的とするプランの方が選択率が有意に高かった。最上位プランの選択率は約1.8倍となり、広告疲労を抱える消費者の広告回避への強い動機が示された。また理由説明に関する検証では、技術進化という促進焦点の説明よりも、環境保全という予防焦点の説明の方が選択率が高かった。この傾向は、個人の革新性や環境配慮といった価値観に依存しなかった。この結果から、有料化や値上げの局面では予防焦点に基づく訴求が有効になりやすいことが示唆される。







