授業

2025.03.17

「地域活性化システム論B」における地域での交流・活性化を促進する2つのNPO団体による特別講義

松尾 隆策(担当教員)

2024年度秋学期「地域活性化システム論B」において、地域での交流・活性化を促進するNPO団体で活動する本学学生と卒業生をお招きし、その活動について、お話をしていただきました。

特別講義は、前半でNPO Chance For AllCFA)学生チームの林澪美氏(本学商学部3年)に、後半はNPO SETの太田芽衣氏(2023年本学商学部卒業)に、それぞれの地域での活動内容についてのお話をして頂きました。

プログラムと講義の概要は以下の通りです。

プログラム

日時:20241118日(月) 13:30-15:10

場所:駿河台キャンパス リバティタワー12階 1123教室

〇前半

団体名:特定非営利活動法人Chance For AllCFA)学生チーム

スピーカー:林澪美氏(本学商学部3回生)、湯原匠氏(駒澤大学4回生)、野中洋明氏(大正大学4年回生)、大城瑠奈氏(鶴見大学2回生)

テーマ:「東京都足立区の学童教育の活動について」

講義では、以下のようなNPOの活動概要についてご説明いただきました。

当団体は、足立区でこどもの居場所づくり、遊び場展開を行っているNPOで、高校生、大学生あわせて、約140人のメンバーが所属しており以下の3つの事業を実施することで、地域の子どもたちの居場所づくりを行なっている。

⓵感情図書館hidamari:「本を通じて、新しい自分や世界と出会い、明日へちょっぴりワクワクできる場所」を目指して、子どもたちの図書館の設置。

②パークリーダー:「地域の公園を笑顔あふれる空間に」をスローガンに、学生が、"あそんでくれるお兄さんお姉さん"として、公園でこどもたちを見守りつつ、思いっきりあそんでくれる場所の提供。

③CFAKids:「もう一つの家族」となれるよう、学校から帰ってきたこどもたちが、遊んだり、おやつを食べたり、宿題をしたり、笑い合って過ごす場所の提供。

④駄菓子屋irodori:「こどもたちが自分の意思で来られる居場所」を目標に、商店街と連携することで、積極的にこどもたちの見守りの実施。

上記の4つの事業を通して、「関三通り商店街」の方々や地域の方と一緒に、地域を盛り上げ、こどもたちにとって生きやすい場所を目指して活動している。

このような活動を通して、地域住民とともに、子どもの居場所づくりに取り組んでいることを、具体的なイベントを交えてお話しいただきました。

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写真1: NPO CFA学生チームによる講義風景 

登壇する林さん(中央)と湯原さん(左)

〇後半

団体名:特定非営利活動法人SET

スピーカー:太田芽衣氏(2023年本学商学部卒業)、望⽉綾乃氏

テーマ:「岩手県陸前高田市まちづくり活動と自身の移住体験について」

講義ではまず、NPO SETの活動の概要についてご説明いただきました。

NPO SETは、東日本大震災の発生をきっかけとして、陸前高田市広田町で始まった「ひとづくり」「まちづくり」の活動である。現在では震災で得た教訓を元に、陸前⾼⽥市のほか、新たに岩⼿町、葛巻町にも拠点を展開し、「社会づくり」に取り組んでいる。

主な活動内容は、全国の中学・高校の民泊修学旅行を市や他団体と協働で誘致し、陸前高田市での受け入れを促進するほか、地元の中高生向けキャリア教育プログラムや学生向け地域おこし実践型スタディツアープログラムを継続的に実施している。

現在、SETをきっかけに40名以上の若者が広田町に移住し、所属メンバーは、設立当初の10名から200名以上にまで増加した。人口が約3,000人の町で800名以上の住民がSETの活動に協力している。」

つづいて太田さんからは、このようなNPO SETの取り組みに出会い、陸前高田市に移住することになったご自身の体験談についてお話をして頂きました。太田さんは、高田市に関わり続けている大きな理由は、何より⾃分が⼀番笑顔で元気に⽣きれる場所と感じたことと話されました。町でモノづくりや、町の⼈との交流をしながら、 ⾃分のペースで地域に根を張らせていきたいと考え、「暮らすこと」を目的にこれまで続けてこられたそうです。そして五感でその場所の暮らしに触れることで、⾃分に合う「⽣き⽅・働き⽅・暮らし⽅」の優先順位をつけ、⾃分の⽣活を考えているそうです。太田さんは、これからも、自身で感じながら、「⽣き⽅・働き⽅・暮らし⽅」を探していくと話されていました。このような太田さんの地方移住のお話は、これから地方での就職を考えている学生にとって、非常に大きな刺激となったと思われます。

本特別講義での2つのお話により、地域のNPOに携わることで、地域住民との交流を通して、まちづくりに参加することは、地域のためだけでなく、携わる活動者自身にとっても重要であることが分かりました。

なお、本講義は、明治大学「地域連携活動助成金2024年度」の助成により実施しました。改めましてお礼を申し上げます。

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写真2-1: NPO法⼈SETによる講義風景

登壇する望月さん(左)、太田さん(右)

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写真2-2: NPO法⼈SETによる講義風景

課題に対するグループワークの様子

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写真3:講義後の全体写真

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