2024.01.27
特別テーマ実践科⽬B・D”商学部アワー”における合同成果報告会
松尾隆策(科目担当教員)
明治大学商学部 "商学部アワー"において、2023年度特別テーマ実践科目B・Dの合同成果報告会(担当:松尾隆策)が開催されました。報告会のプログラムは以下の通りです。
プログラム
【日時】2024年1月9日(火)15:20〜17:00(3限)
【場所】和泉キャンパス 008教室(第一校舎)008号教室
[第1報告](15:20-15:45)特別テーマ実践科⽬B「ビジネス現場での課題解決」
テーマ:地方新規就農プログラム
報告者:岩切 琉聖(2回生)・鈴木 悠真(2回生)・仁科 晴登(2回生)
[第2報告](15:45-16:10)特別テーマ実践科⽬B「ビジネス現場での課題解決」
テーマ:食品ロスDX保険
報告者:田口青空(1回生)・東幸太朗(2回生)・須貝美玲(2回生)
[第3報告](16:10-16:35)特別テーマ実践科⽬D「地域における新規事業提案・応用編」
テーマ:三浦市における6次産業化の取り組み
報告者:秀平 幹太(4回生)・山中 智仁(4回生)・山本 龍輝(4回生)・今井悠叶(3回生)・小澤 怜以(3回生)・津野 葵泉(3回生年)
[第4報告](16:35-17:00) 特別テーマ実践科⽬D「南房総市の道の駅を拠点とした地域 活性化の取り組み」
テーマ:南房総市の道の駅を拠点とした地域活性化の取り組み
報告者:多田 彩乃(3回生)・原 雅也(3回生)・太田 芽衣(4回生)
また、成果報告会には、3科目で合計5名の外部専門家委員にお越しいただきました。ご出席いただきました専門家委員の先生方は以下の通りです。
外部専門家委員
・特別テーマ実践科⽬B「ビジネス現場での課題解決」
野口 亮輔氏 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社人事部
松本 啓佑氏 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社人事部
・特別テーマ実践科⽬D「地域における新規事業提案・応用編」
渡辺 聡子氏 三浦市経済部観光プロモーション担当課長
・特別テーマ実践科⽬D「南房総市の道の駅を拠点とした地域活性化の取り組み」
鹿野 和子氏 汎太平洋東南アジア婦人協会副会長、明治大学道の駅研究所客員研究員
加藤 文男氏 株式会社ちば南房総相談役、観光カリスマ(観光庁)
各報告の内容をまとめますと、以下のようになります。
第1、第2報告は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社のご協力で実施した「特別テーマ実践科⽬B:ビジネス現場での課題解決」で取り組んだ実習成果の報告です。同授業では、企業様より「CSV×DXで解決する社会・地域課題」というテーマをいただき、課題解決の方法を、2つの班に分かれて、半年間にわたり考えました。まず、第1報告では、「地方新規就農プログラム」というテーマで、岩切 琉聖さん、鈴木 悠真さん、仁科 晴登さん(いずれも2回生)に報告していただきました。報告内容をまとめますと、中山間地域などの人口減少地域に見られる耕作放棄地の増加、空き家の増加問題の解決方法として、地域外からの新規就農者を呼び込む制度です。現在都市に住み、Iターンで新たに農業を始めたい人たちが、地域に移住して就農に成功するために、自治体、行政、保険会社が協力してサポートするという仕組みです。外部専門家委員の鹿野委員、加藤委員をはじめ、多くの専門家委員の先生方から、アイデアの新規性に対して高い評価を頂きました。
つづいて、第2報告では、「食品ロスDX保険」というテーマで、田口 青空さん(1回生)・東 幸太朗さん(2回生)・須貝 美玲さん(2回生)に報告して頂きました。報告の内容は、SDGsの観点から、近年の食品ロスの増加問題に焦点を当てて、自治体、保険会社、アプリ開発会社が共同で、食品ロスの発生量の削減を促す制度を提案しました。具体的には、地域内の飲食店から出る食材等の情報を共有し、飲食店間で融通し合うアプリを開発して、地域全体で食品ロスの削減に取り組むシステムです。食材を融通し合うことでは間に合わず、どうしてもロスが発生した場合には、保険会社が廃棄処理費用を補償することで、自治体内での処理費用を抑えるという仕組みです。この提案については、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の野口委員、松本委員から、実際の実現可能性があり素晴らしい提案だという評価をいただき、報告した学生たちの励みになったと思われます。
第3報告は、「三浦市における6次産業化の取り組み」というテーマで、秀平 幹太さん(4回生)、山中 智仁さん(4回生)、山本 龍輝さん(4回生)、今井悠叶さん(3回生)、津野 葵泉さん(3回生) に報告して頂きました(なお、小澤 怜以さん(3回生)は、急用で欠席)。本報告は、春学期に実施した「特別テーマ実践科⽬C:地域における新規事業提案・基礎編」の「応用編」にあたります。「基礎編」を受けて、実際に神奈川県三浦市で、地域活性化に取り組んでいる2つの事例について、インタビュー調査を行ないました。その調査の結果をまとめ、結果を考察し、報告しました。調査対象は、三浦市で6次産業化に取り組み、成果を上げられている「くろぜむ農園」と「三浦パン屋 充麦」です。まず、「くろぜむ農園」は、1000年以上も続いている歴史のある農家で、代表の山田靖子氏の手がけている農園で採れた農産物を乾燥して作ったドライ野菜を使った「海風のドライベジ」は、神奈川県から「神奈川なでしこブランド」に認定されています。自治体に認定され、広く広報されたことで、地元の「海の駅」や特産品売り場などで人気を博しています。次に調査に伺った「三浦パン屋 充麦」は、自家農園で栽培した小麦を製粉し、パンを製造して、店舗で販売するという取り組みを行なっています。この事例は公式には6次産業の認定を受けてはいませんが、代表の隂山充洋氏の広いネットワークを生かした6次産業の取り組みにより、店舗だけでなく、地域全体の経済活性化を図っているということが特徴的であるという報告が行われました。どちらの事例においても、6次産業化は、単独では成功に繋げることは困難で、成功するためには多くの方々の協力・連携によるネットワークの構築が重要であるという報告でした。本報告では、調査にご協力いただきました三浦市経済部の渡辺課長から、マーケティングの観点から、非常に有意義なコメントをいただきました。
最後の第4報告では、「南房総市の道の駅を拠点とした地域活性化の取り組み」というテーマで、多田 彩乃さん(3回生)、原 雅也さん(3回生)、太田 芽衣さん(4回生)に報告して頂きました。本実習授業では、千葉県南房総市にある「とみうら枇杷倶楽部」と「富楽里とみやま」での計2回にわたる現地調査を実施しました。南房総市は、市内に8つの「道の駅」を持ち、「道の駅」同士が互いに連携することで、市全体の活性化に繋げています。学生の報告では、調査で大変お世話になった市内の7駅を管理運営する株式会社ちば南房総相談役の加藤文男氏を外部専門家委員としてお招きし、大変貴重なコメントをいただきました。報告した学生の一人は、将来、地域でまちづくりに関わる仕事を希望しており、大きな励みになったと思われます。
本報告会は、3つの特別テーマ実践科目(いずれも松尾が担当)において、半年間にわたり実施したアクティブラーニングの成果を報告するもので、外部専門家委員の先生方は、ご担当以外の報告にも、非常に有益なご指摘とご講評をいただき、報告会を盛り上げて頂きました。さらに終了後の反省会では、皆で和やかな話し合いができ、学生の将来の職業選択にも、非常に役に立ったのではないかと思われます。
第1報告の様子 報告者:岩切 琉聖さん(左)・仁科 晴登さん(中)・鈴木 悠真さん(右)
第2報告の様子 報告者:田口青空さん(左)・東幸太朗さん(中)・須貝美玲さん(右)
第3報告 報告者:今井悠叶さん(最左)・津野 葵泉さん(左から2番目)・山中 智仁さん(中央)・山本 龍輝さん(右から2番目)・秀平 幹太さん(最右)・小澤 怜以さん(当日は欠席)
第4報告の様子 報告者:太田 芽衣さん(左)・原 雅也さん(中)・多田 彩乃さん(右)
外部専門家委員によるコメントの様子
報告会後の記念撮影