2020.12.04
町田ゼミの「たまごプロジェクト」
町田一兵(担当教員)
交通・物流は日常生活と密接に関わる学問です。町田ゼミでは2年次から、座学を中心に知識を深めてきました。しかし、受動的に学ぶのみならず、実際に体験することも必要と考えています。その考えを基に行ったのが「たまごプロジェクト」です。
昨年に続き、今回のプロジェクトも福島大学の朱 永浩先生のゼミと共同で行いました。新型コロナウイルスの影響もあり、開催が危ぶまれていましたが、しっかりと感染症対策をした中で無事に開催をすることができました。町田ゼミの学生は全員マスクを着け、福島大学の朱先生のゼミのみなさんとZoomで繋がり、共同でプロジェクトの検証を行いました。
【図1】町田ゼミ生のみなさんと福島大学朱先生ゼミ生のみなさん(スクリーン)
このプロジェクトは町田/朱ゼミのゼミ生が互いに一定の基準に基づき、自ら考えた環境に優しい包装方法で10個の生たまごを相手のゼミに送り、到着した後の結果を評価するプロジェクトです。
平等性を図るために、評価方法、配送方法、包装材料の規定を予め相互の話合いで決められています。
評価方法では、10個の基準(「重さ」、「サイズ」、「外観の完成度」、「包装のユニークさ」、「有効かつユニークな梱包素材」、「環境への配慮」、「材料の入手のしやすさ」、「梱包の簡単さ/外す際の手間」、「破損状況」、「たまごの取り出した状態」に基づき評価をします。
配送方法は、「割れ物指定」をしないというルールを設け、そのため、万が一破損しても配送業者に迷惑をかけないように工夫をしなければなりません。 包装材料は、できるだけ無料で入手できる素材を使い、自分自身で包装方法を考えます。個人の発想を最大限に生かしながら、身の回りにあるものを活用する自由の発想を鍛えられます。
評価の結果、100点満点で1位は78.7点で、平均は69.1点でした。平均も結構高い点数となり、その理由として、昨年の実施結果に比べ、たまごが割れた作品が少ないことが挙げられます。
ここで第1位の安倍さんの包装を紹介します。
工夫した点として、上下左右に卵が動かないように段ボールを隙間なく、セットしたことだそうです。Amazonなどで購入した際に、商品に対して必要以上に梱包材が大きかったり、緩衝材が多かったりして無駄であると感じたことから、この包装の仕方を思いついたと話していました。安倍さんの作品は、朱先生のゼミ生から高く評価されており、素晴らしい作品でした。
今回のプロジェクトでは、たまごを割らないように焦点を当てたゼミ生が多く、事後の感想として頑丈包装をしたため、サイズが大きく、重くなってしまったことが多く寄せられました。 割らないように包装すること、環境配慮素材の使用、できるだけ小さく、取り出しやすさなど、様々な制約要素を考慮しながら作品を作ることは思った以上に大変な作業でかなりゼミ生たちは苦戦をしました。
プロジェクトの実行により、環境に配慮し、かつ破損しないようにモノを運ぶことの難しさを感じることができました。また、環境への配慮は、今日では重要なキーワードになっていますが、プロジェクトを通して、改めてその大変さを感じたと共に、私たちがより真剣に取り組むべきであると認識しました。 合わせて、日ごろ消費者にモノを届ける物流企業の方に感謝の気持ちが湧いてきました。
なお、今回のプロジェクトで出た反省点は、次に繋がるようにゼミ生でよく話し合っていきたいと思います。ご協力いただいた福島大学朱 永浩先生ゼミの皆さんにも深く感謝します。
(文責 町田ゼミ副ゼミ長 大冨 泰一)