ゼミ

2024.06.10

町田ゼミ 東京の台所を担うニチレイロジグループ様の冷凍冷蔵倉庫への見学実施報告

町田一兵(担当教員)

我々の日常生活の中では冷凍冷蔵倉庫に行く機会がなかなか少ない。また、これまで数人のゼミ先輩がすでにニチレイロジグループ様に就職されていることもあり、昨年から町田ゼミによる冷凍冷蔵施設の見学及び共同研究を進めることについて話し合いを重ねた結果、今回町田ゼミ(11)2024522日、ニチレイロジグループ様のご厚意で平和島物流センターの見学を実施いたしました。以下今回の見学についてご紹介いたします。

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平和島物流センターでの講義の様子

冒頭に平和島物流センターでの役割や機能についてご講義をいただきました。ニチレイロジグループ様と言えば、優れた保管能力を持っているという印象でしたが、それだけでなく、耐震機能や環境に配慮した省エネの工夫もセンターに取り入れているとのことでした。さらに最近ではタブレット検品による情報の電子化管理や、手を使わずにバーコード等をスキャンできるグローブスキャナーによる商品の管理など、現場作業の機械化・効率化を進めているそうです。

次に冷蔵倉庫内に案内されました。ここではアイスクリームやお肉、海外からの輸入品(保税品)など、荷主から預かった商品を指定された温度で保管します。倉庫内は分厚い作業着を着てもとても寒く、現場で働くことの大変さを実感しました。

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冷蔵倉庫の中の様子

さらに商品の解凍現場を見学させていただきました。

ここでは冷凍肉類を大きな解凍機のベルトコンベアを通してゆっくりと解凍されています。凍った商品を解凍させる部屋のため、室内温度は冷凍スペースほど寒くはなかったです。さらには、解凍機を通した後にも複数の扇風機を稼働させて風を当てることで、さらに解凍を均一的に進めるなど、お客様の要望に応えるための工夫を施されていました。画像3.jpg

解凍現場で話を聞く

最後に入庫ステーションにご案内していただきました。

ここでは海外から来たコンテナから荷物を従業員が、手作業でベルトコンベアに乗せフォークリフト用のパレットに降ろすという一連の作業が行われていました。一回の積み下ろし作業にかかる時間は12時間ほど、約1,200 ケースを取り扱います。なお、ただ積み下ろすだけではなく、アイテムの種類や規格、賞味期限や製造日ごとに荷物を仕分ける作業も同時に行われていました。画像4.jpg

手作業で積み下ろす現場

ここで驚いたのはコンベアに乗せてからパレットに積み付けるまですべて手作業で行っていたことです。近年物流現場ではロボットの導入が盛んだというイメージの中、運搬作業こそ自動で行われていると考えていました。しかし、現場ではコンテナ内に直に商品が積まれていることや種類が多く繊細な食品を取り扱うため、ロボットを導入することでかえって作業効率の低下にも繋がりかねず、また海外現地サイド状況や国内流通の兼ね合い等にも影響があるため、まだ一朝一夕には難しそうだと思い知らされました。物流の自動化が思うように進まないのも現場見学を通じて、若干理解ができました。

私たちゼミ生は今回初めて企業見学を体験させていただきましたが、現場で働く方々の魅力的な姿が非常に印象に残りました。現場は常にミスがないように注意することが必要で、話すことも躊躇うような逼迫した空間だというイメージを持っていました。しかし、実際の現場はそのような雰囲気ではなく、コミュニケーションをとりながら皆さん楽しそうに作業しておられました。職場の雰囲気や現場での仕事内容を知ることができ、私を含むゼミの皆さんがかなり良い刺激を受けました。

今回の見学を通して、「現場を見て学ぶ」ことの大切さを実感しました。大変お忙しい中、このような貴重な学びの機会の提供して下さいました株式会社ロジスティクス・ネットワーク平和島物流センターの村松所長、株式会社ニチレイロジグループ本社古川様、椎野様をはじめ、見学日程の調整及び案内にご尽力された方々に厚く御礼申し上げます。

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見学に参加したゼミ生の皆さん

(文責 町田ゼミ11期ゼミ長 2年 野澤 真由)

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