ゼミ

2019.09.04

ニュージーランドでのゼミ合宿報告-海外での高大連携活動―

水野 勝之(担当教員)

バスターミナル前

水野勝之ゼミナール2年生10名はニュージーランドのクライストチャーチでゼミ合宿を行いました。8月26日(月)から31日(土)まででした。

 現地では、5グループに分かれ、1日目(28日)は歩いて町の経済のふしぎ発見を行いました。街を歩いていて、経済の点で不思議に思ったことを発見してくる作業です。また、先日の経済教育学会研修会(於橘学苑)の参加者の皆さんから出していただいたミッション(日本について知っていること、幸福度、税金の高さ等)を含んだ街頭調査アンケートも行いました。発見してきたふしぎは、路上のどこからでも乗れる簡易のスクーターの乗り方、閉店時間の早さの理由、バスのアナウンスや料金案内が一切ない不便さ、チップがないこと、きれいな公園の整備の財源などについてでした。

2日目(29日)、現地に1年間留学中の橘学苑高等学校国際コースの生徒11名が合流しました。大学生だけでは英語が通じないので高校生が通訳として各グループをサポートしてくれました。街頭アンケート調査の継続と、前日見つけたふしぎの解決のインタビュー調査のために街に出ました。再集合した時には、高校生も大学生も「めっちゃ、楽しかった」といっていました。

そして3日目(30日)、調査結果をまとめてワークショップで発表しました(場所:クライストチャーチ・コミュニティ・ハウス)。スクーターの乗り方、税金が高くても不満が少ない理由、街頭アンケート回答で幸福度が高い理由なども聞き取り、高校生や大学生が自分の見解を交えて話しました。例えば、幸福を感じるのは家族と過ごすときだという方が複数いたそうで、「クライストチャーチのお店は閉店時間が早いので家族と過ごす時間が長い、したがって家族との生活を大切にしているのであろう」という見解が特に印象的でした。

全部で103枚(103人分)もの街頭調査アンケート結果が集まりました。見も知らぬ、しかも英語しか話さない人たちからの聞き取り調査、お見事でした。チームワーク力のたまものでした。今後ゼミの授業で集計・分析する予定です。

参加大学生へのアンケート結果

 今回参加した大学生へのアンケート結果です。身についた力は、課題発見力(1位)、実行力(2位)、コミュニケーション力(3位)、チームワーク力(3位)、傾聴力(3位)などでした(複数回答可)。後輩に薦めたいプログラムかについては、「強く薦める」4名、「薦める」6名、「あまり薦めない」と「薦めない」が0名でした。

【大学生の感想】

辻貴子(2年)

アンケートではほぼ全ての人が笑顔で答えてくれ、こうした人々の温かさがニュージーランドでの暮らしの幸福度の高さに反映しているのだと実感しました。高校生の通訳のおかげもあり交通や社会制度の生の声をことができ、貴重な経験となりました。

橋本 周弥(2年)

今回の合宿を通して、日本とニュージーランドには思っていた以上に繋がりがあるということに気づきました。また、ニュージーランドの人々が自国に誇りを持っていて、なんの

迷いもなく幸せだと答えたことに衝撃を受けました。

飯塚紗彩(2年生)

今回のNZ合宿で学んだことは、人の温かさです。アンケートを自分たちでとり、しかも英語で聞かないといけないということを聞いて、コミュニーケーション能力が低い私はとてつもなく苦痛を感じました。ですが、いざ話してみるとNZの方々は本当に親切で優しかったです。自分の単語をつなげたような文の意図を汲み取ろうとしてくれていることがわかってとても心が温かくなりました。

伊庭翔也(2年生)

NZの人達はとても優しくてだいたい親切に対応してくれたのでアンケートも取りやすかったです。大変なこともあったけれどとても楽しいNZ合宿でした。

藤井紫水(2年生)

今回ニュージーランド合宿で、日本との違い、現地の人たちの優しさを感じることが出来ました。歩いている人にいきなりアンケートを取るのは、始めとても緊張しました。しかし、ほとんどの人が快く答えてくれ、またニュージーランドの人々の日本の認識を生の声で聞くことが出来ていい経験が出来ました。他の国にいって、そこで、経済の不思議を見つけることは刺激的で楽しかったです。

中澤美月(2年生)

留学している高校生の助けを借りながらではありましたが、アンケート調査では自ら英語で問いかけ、上手く伝わらなくてもわかるまで何度も聞きてくれるニュージーランドの人々の優しさを感じました。海外旅行とは違った刺激のある経験が出来ました。

佐藤菜々子(2年生)

今回私たちは直接ニュージーランドに赴き、経済の質問をしてきました。日本とニュージーランドの考え方の違い・文化の違いなど、やはりインターネットで只調べるのとは比べ物にならないほどの経験をすることができ、実践的に動く大切さを学びました。体で知ること以上の学び方はないと確信しました。また、長期留学をしている高校生と共にアンケートを取ることによって、コミュニケーションやアンケートの質がぐんと上がり、私たちだけでは得られなかった情報を得ることができ、素晴らしいアンケート結果になったと思います。これから、アンケートを集計し、情報を元に更なる研究結果を導き出せるよう努めていきたいです。

【参加してくれた高校生の感想】(大学生についての記述部分を抜粋)

まず大学生の方たちの積極性がすごくて私はびっくりしました。誰にでも話しかけられるのです。私は簡単ではなくていつもネガティヴに考えてしまいます。人とコミュニケーションを取るのはすごく難しいことで改善したいけどなかなか上手くいきません。なのに大学生の方たちは英語が喋れないのにも関わらずどんどん自信を持って話しかけていたのがすごかったです。完璧じゃない私の英語を頑張って読み取ろうとしてくれたNZの人にとても感謝です。(2年生)

通訳は、私にとって初めての経験で、最初はとても緊張しましたが、大学生の皆さんが優しくしてくださって、楽しくできました。また、アンケートを嫌がらずに受けてくださった方が多く、NZ人の温かさを改めて実感しました。自分の英語力が来た時より少しだけ伸びていることがわかり、とても嬉しかったので、これからもっと頑張っていこうと思いました。(2年生)

今まで通訳というような経験をしたことが全くなくて、初めて会う人と協力して海外で調査をするという経験はとてもレベルが高いもので中々できないことだという認識がありました。しかし、始まってみると大学生の方々はとても優しくて気さくに話してくださったので、リラックスして調査を進めることができたのかなと感じます。(2年生)

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