2019.07.29
小林ゼミ: 駿河台キャンパスに期間限定のフェアトレードカフェをオープン!
商学部4年 大江啓太
小林尚朗ゼミ12期の学生が、駿河台キャンパスに7月2日(火)~7月5日(金)の期間限定でフェアトレードコーヒーを提供する取り組みを行いました。そのときの様子と、ゼミ生たちの取り組みについてレポートします。
- 小林尚朗ゼミ12期ゼミ生たち
小林尚朗ゼミ12期の学生が、7月2日(火)~7月5日(金)の期間限定でフェアトレードコーヒーを提供する取り組みを行いました。コーヒーは、神保町の特定非営利活動法人パルシックさん(参照: https://www.parcic.org/about/)から取り寄せ、販売しました。
小林尚朗ゼミは、世界経済論を研究している商学部のゼミです。指導教員である小林先生がフェアトレードについて造詣が深く、ゼミ生もフェアトレードについての活動を行っています。小林尚朗ゼミの目標は「明治大学をフェアトレード大学にする」ことです。
- 小林尚朗ゼミ生が販売していたコーヒーとワッフル。カップの仕入れやシールのデザインもゼミ生みんなで考えたそうです。
今回の取り組みのコーヒーの原産地である東ティモール民主共和国は、インドネシア諸島南部に位置する小さな国です。国土は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県を合わせた面積ほどで、人口は約118.3万人。ティモール島の東半分を領土としていて、島はサンゴ礁で囲まれています。1970年代から長く続いた紛争を経て、2002年に独立を果たした21世紀最初の国であり、非常に若い国です。現在治安情勢は安定しており、ASEAN加盟に向けて取り組んでいます。
しかし、東ティモールが抱える社会問題が、高い失業率です。外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol36/index.html)によると、東ティモール国民の15~34歳の失業率は6割以上にも上ると言われています。しかし、国民の多くが農業に従事しており、そのどこまでを失業と含めるか定かではなく、正確な失業率の数値は不明です。
そんな東ティモールの主要産業の1つが、コーヒーです。東ティモール産コーヒーは、東ティモールの豊かな自然と豊富な雨、日陰栽培などの要因から、質の高いコーヒーとして知られています。東ティモールのコーヒー生産者の暮らしを守るためだけでなく、環境に悪影響を与えないため、そしていつまでも美味しい東ティモール産コーヒーを飲むことができるように、フェアトレードが活用されています。
- 東ティモールのコーヒー栽培の様子(出典: https://www.timorleste.tl/what-to-do/coffee/)
フェアトレードとは、「開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す『貿易のしくみ』」(引用: Fairtrade Japan<https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/course.php>)です。フェアトレードの基準を満たした製品にはフェアトレード認証が与えられ、倫理的に調達された製品であることが分かるようになっています。
フェアトレードには3つの基準があります。第一に経済的基準、生産者に適切な対価を支払っているか。第二に社会的基準、児童労働や差別はないか。第三に環境的基準、遺伝子組み換え品や危険な農薬を使用していないか。この3つの基準を満たしたフェアトレード認証を得た製品を購入することで、消費者である私たちは間接的に貢献することができるのです。
参照: 国際フェアトレード基準(https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_standard.php)
- フェアトレード認証ロゴ。一度は目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。(出典: https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_license.php)
この小林尚朗ゼミの活動を通じて、フェアトレードについて少しでも知ってもらい、東ティモールのコーヒー生産者の暮らしや、生産者と消費者の関係を知るきっかけになってほしい、とゼミ生たちは言います。明治大学をフェアトレード大学にするべく、ゼミ生の活躍を楽しみにしています!