ゼミ

2019.08.02

インタビュー記事「明治大学商学部ではどんなことを学べるの?」 - 小林尚朗ゼミ

商学部4年 大江啓太

「明治大学商学部では、どんなことを勉強するんだろう?」と考える高校生や、「明治大学商学部に入学できたは良いけど、これから何を勉強すればいいんだろう?」と考えている1年生は、少なくないのではないでしょうか。今回は明治大学商学部の小林尚朗ゼミを取り上げ、指導教員の小林尚朗教授(以下、小林先生)と、現在3年生である12期小林ゼミ生リーダーの上野謙太朗さん(以下、上野さん)にインタビューしました。

フェアトレード商品を手にする小林尚朗先生(左)と12期ゼミ長上野さん(右)

1. 小林ゼミでは、どのような研究をしているんですか。

小林先生: 世界経済論について研究しています。一口に世界経済論といってもその範囲は広範で、その中でも主に貿易、貧困、フェアトレードなどの分野に焦点を当て、毎年研究に取り組んでいます。ゼミには2年生から4年生までの商学部生が所属しているのですが、各ゼミ生や各学年によって関心のある分野が異なるため、学年ごとに数班に分かれて、学生が関心のあるテーマで研究を行なっています。

2. そもそも、研究は勉強とは違うんですか? また、ゼミとは何ですか。

小林先生: 勉強というのは、基礎的な知識を身につけることだと思います。世の中で常識になっていることや、ある分野で基礎になっている理論などを学ぶことが目的です。一方、研究はまだ誰も分かっていないことを明らかにすることです。ゼミとは、この研究を行う特別な授業のようなものです。

勉強と研究の一番大きな違いは、答えがあるか無いかだと思います。高校での勉強には答えが決まっていることが多いと思いますが、研究には多くの場合で答えがありません。答えを見つけるというのは非常に大変な作業ですが、そこが研究の面白さだと思います。

ゼミ生の前でお話されている小林先生

3. 上野さんたち12期のゼミ生は、どのような研究をしているんですか。

上野さん: オリンピックやエネルギーなど、5つのテーマを設定し、グループに分かれて研究を行っています。私はエネルギー問題についての研究グループに所属していて、日本にはどのような発電方法が適しているかという問題について研究を行っています。ゼミ生と小林先生が集まって発表を行う時間が毎週1回あるのですが、そこで成果発表を行い、先生からフィードバックをいただきながら研究を進めています。そこでいただいたフィードバックを持ち帰り、「サブゼミ」という時間でゼミ生だけで集まり、主体的に議論を進めています。また、小林ゼミは明治大学を「フェアトレード大学」にするという目標も掲げており、フェアトレードに関しての活動も行っています。

参照: フェアトレードとは?

4. オリンピックについての研究とは何ですか。面白そうですね。

上野さん: オリンピック前後の経済の変化や、ボランティアについての調査などを行っています。

小林先生:オリンピックには物資の調達コードというものがあるのですが、環境に良くないものをオリンピックに使ってはいけない、児童労働によって生産された製品を使用してはいけない、といったルールが決められているんです。フェアトレード製品は、こうした社会問題、環境問題に悪影響を与えない形で生産された製品です。オリンピックにはフェアトレード製品が数多く使用されています。

5. フェアトレード大学にする、とはどういうことでしょうか。また、どんな活動をされていますか。

上野さん: フェアトレードは、貧しい人々を助けるためだけにあるのではありません。フェアトレードという取り組みを通じて、世界経済の流れ、生産者と消費者の関係、児童労働などの社会問題などが見えてきます。フェアトレードについて明大生に知ってもらうことに加えて、それを通じて世界経済を知ってもらうことが、フェアトレード大学にするための取り組みです。

小林先生: 私たちがなぜフェアトレードを取り扱っているのか、また、なぜ私たちが遠く離れた地で貧困に苦しむ子供たちを救うべく活動を行っているのか。今日の私たちの暮らしは、グローバリゼーションによって世界中から届くモノによって成り立っているわけですが、それに伴ってサプライチェーンの実態が見えなくなってきています(小林先生より: サプライチェーンについてまだ知らなくても、明治大学商学部の授業で勉強することができますよ!)。それを意識して、世界がどのようにつながっていて、経済がどうまわっているのかを知ることが大切です。自分たちだけが豊かで幸せになれば良いのではなく、世界全体が豊かになることで持続可能性がある経済が生まれる。そんな世界を作るため、そしてより良い世界を実現するためのツールとして、フェアトレードは役立つのではないか。だから私たちはフェアトレードについての活動を行うことで、より多くの明大生にも知ってもらえるよう取り組んでいます。

上野さん: 具体的には、7月2日から7月5日に大学キャンパス内でフェアトレード認証されたコーヒー豆を使用したコーヒー飲料を販売しました。フェアトレードへの関心があまりない人に対し、まずは手に取って知ってもらい、認知を拡大させるのが最初のステップです。明大生が私たちのコーヒーを買ってくれて、フェアトレードについて少しでも知ってくれたときは嬉しかったですね。

参照: 小林ゼミ: 駿河台キャンパスに期間限定のフェアトレードカフェをオープン!(記事リンク)

発表を行う小林ゼミ12期生

6. 上野さんが、ゼミでの活動において楽しいと感じること、やりがいを感じることはどんなことでしょうか。

上野さん: ゼミで得た知識がニュースや新聞などに出てきて「これ知ってる!」と気が付いたときですね。私の研究テーマであるエネルギー問題に関する知識はもちろん、ほかのゼミ生の発表でも様々な分野の知識が得られます。そうして知らないうちに知識がどんどん増えていって、より多くの出来事に関心を持つようになり、学ぶ意欲が沸いてくるのは面白いですね。


7. 高校生のとき、大学の勉強や研究の想像はついていましたか。

全く想像できていなかったです。高校生のころ、私は国際関係学を学びたいと考えていました。結果的に明治大学商学部に入学して今に至るわけですが、世界経済学という非常に面白い分野の研究が今できています。明治大学商学部は、研究できる分野の自由度が非常に高く、入学してからでも色々な可能性があると感じました。

小林ゼミ12期生の方々がお花見に行った際の様子

8. 上野さんから、高校生に向けてメッセージをお願いします。

私は推薦合格したため受験勉強はしませんでしたが、受験勉強はすべきだったと感じています。高校の授業内容が大学での研究の基礎になっています。しっかりと基礎を身につけるため、100点を目指して受験勉強をしてほしいと思います。そうすれば、120点、150点、その先を目指すことができます。大学での研究には答えがないため、いかにしてより良い成果を残すか、ということが大切だと感じています。あと、少なくとも明治大学商学部では英語力は必須です。英語も頑張ってください。

9. 小林先生から、高校生に向けてメッセージをお願いします。

受験勉強は決して無駄ではありません。確かに暗記などは大変だと思いますが、そうして身につけた知識が点と点でつながるのが大学での勉強や研究です。私が指導している貿易総論という授業では、大航海時代の貿易についても触れます。高校の世界史で勉強した内容にも触れながら貿易についての詳細な勉強をするので、やはり高校での授業、受験勉強で学んだ知識が基礎となって大学での勉強や研究につながっています。

受験勉強は非常に大変だと思いますので、覚えていること、学んでいることの意味を考えながら勉強する人は決して多くはないと思いますが、その身に着けた知識にはとても大きな意味があります。その意味についてゆっくり振り返ることができるのは大学に入った後だと思いますが、やって無駄な勉強はありません。英語、数学、すべての勉強が次の学びにつながっています。明治大学商学部には、アカウンティング、グローバルビジネス、ファイナンスなど多くのコースがあり、本当に自分が学びたいことをきっと見つけることができます。入学したあとでも自分の学びたいことを模索し、自由に研究ができるという点で明治大学商学部は非常に魅力的だと思います。

(筆者あとがき)

明治大学商学部では、いろいろな分野の勉強、研究をすることができます。今回インタビューした上野さんは高校生のとき国際関係学を学びたいと思っていましたが、今は世界経済論を学ぶことができています。友人や先生との出会い、授業やゼミでの勉強・研究を通じて、自分自身の学びたいことがきっと見つかるのではないでしょうか。

以下の記事では、上野さんの友人である小林ゼミ12期生のフェアトレードに関する活動をレポートしています! 併せて読んでみてください。

参照: 小林ゼミ: 駿河台キャンパスに期間限定のフェアトレードカフェをオープン!(記事リンク)

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