2021.08.05
商学部の先生方の本を紹介します
出見世信之(担当教員)
商学部の先生方は、書籍の出版に熱心に取り組まれています。様々な情報や取引の電子化が進んでいる時代に、なぜ、紙で印刷された書籍の出版に力を入れるのだろうと疑問に思う方もいるかも知れません。書籍のように一度紙に印刷・製本されたものは、電子データと異なり、文字化けのようなことが生じることもなく、悪意あるものがその内容を書き換えることも容易にはできません。それゆえ、今日においても、書籍の出版には社会的意義があります。また、明治大学駿河台キャンパスの周辺には、古書店を含め、多くの書店があります。
4月に新入生のご父母を対象として駿河台キャンパスで行われる説明会では、過去半年の間に商学部の先生方により出版された書籍を紹介していました。今年度は、オンラインでの説明会になり、書籍の紹介はできませんでしたので、こちらで2021年に出版された書籍の一部を紹介したいと思います。まず、フランスの長編小説家マルセル・プルーストに関する書籍です。高遠弘美教授は、ファニー・ピジョンの『プルーストへの扉』(白水社)の翻訳を行い、『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)において、プルーストに関する章を執筆しています。次は、日本史に関する書籍です。清水克行教授は、『室町は今日もハードボイルド』(新潮社)を書かれました。この書籍は、『日経ビジネス』(2021年8月2日号)においても紹介されています。
横井勝彦教授は、『冷戦期アジアの軍事と援助』(日本経済評論社)をまとめられています。これは、横井教授を中心とする「武器移転の国際経済史研究」の共同研究の成果の一部です。浅井義裕准教授は、『中小企業金融における保険の役割』(中央経済社)を刊行され、損害保険や生命保険が中小企業の資金繰りに役立つことを示唆しています。村田潔教授は、『情報倫理入門』(ミネルヴァ書房)の編著者を、『現代経営情報論』(有斐閣)で共著者をされています。前者では、ICT(情報通信技術)が進展する中で、情報倫理の諸問題が生じ、それをいかに解決できるかを論じています。後者では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)時代における人間、組織、社会のあり方について、具体的なケースを紹介しながらまとめられています。
野中郁江教授、三和裕美子教授が編著者をされた『図説 企業の論点』(旬報社)では、企業を読み解けば、現代社会が見えるとして、「株主を中心とする資本主義の見方」、「企業活動の結果である利益の配分のあり方」、「企業で働く人の職場の状況、企業による持続可能な社会への模索」という、4つのテーマについて、企業で働く人の立場から、企業と直接的な関係を有していない市民の立場から、企業に関わる課題にどのように取り組むことができるのかという方向性を示唆し、実際にそうした方向で取り組んでいる企業を紹介しています。
興味を持った方は、是非、一度、上記の書籍を手に取り、ページを捲ってみてください。