授業

2021.11.16

ゲストスピーカーによる特別授業(洪貴義氏【テーマ:世界で生きる-国境を越える在日サッカー選手たち】)

李 英美(担当教員)

 「韓国・朝鮮の社会と文化」に関する様々な考察対象をあらゆる観点からアプローチし、総合的に研究している李ゼミでは、10月19日に2,3,4年の全ゼミ生を対象に商学部の「ゲストスピーカーによる特別授業」を実施しました(約50名参加)。これは世界に生きる韓国・朝鮮の人々について、その発生の歴史的背景、こんにちにおける存在意義、今後の展望などについて考えることの一環として行われたものです。

 今回は私たちの身近にいる在日コリアンについて、「世界で生きる―国境を超える在日サッカー選手たち」というテーマで、韓国・朝鮮を離れて生きる当事者の一人でいらっしゃる講師の先生から生の声で直接話を聞くことができました。

講義資料
洪貴義先生

 在日コリアンはもう4世、5世となっていき、生き方や考え方も多様化しているこんにち、在日コリアンの定義、在日コリアンのアイデンティティなどはどのような変化を遂げているのか、共に考える機会になりました。今回の特別講義をとおしては、在日コリアンに対する定義は難しく、またひとりの在日コリアンのアイデンティティに関する考えは、固定しているものではなく、生成変化していくものであるという考えについても学ぶことができました。

講義資料
韓国から参加した留学生(3年李スンミンさん)

 講義の感想として、ゼミ生からはつぎのような声が寄せられています。「自分が何者であるかというアイデンティティは固定せず、成長や理解により生成変化することを学びました」(3年稲木さん)、「一般社会・芸能の世界・学問の世界であれ、一人一人異なる在日朝鮮人・コリアンが存在し、日本社会や世界で活躍していることがわかりました」(3年奥村さん)、「在日コリアンの定義について考えることで、アイデンティティを言い表すのは自他ともに簡単ではないことを学んだ(中略)まさに私は日本人を詳細に区別するのに対して、在日コリアンは一括りにしてしまっていたことに気づかされた。全ての人を一律に捉えられないだけでなく、一人の人間の中のアイデンティティも生成変化するだけに尚更正しい理解が求められる。」(3年加藤さん)、「サッカー選手など幅広い分野で在日コリアンの方々が活躍しています。多様性を尊重し、あらゆるアイデンティティをもつ方々と共存していく社会にしていきたいです。」(3年仲村)

質問するゼミ生(3年稲木さん)
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