2022.03.10
【商学部実践企画】 森永由紀ゼミナールによるウォーターサーバー設置企画の成果報告 vol.2
森永由紀ゼミナール(3年西村憧子)
※この投稿はVol.1の続きとなっております。ぜひVol.1をご覧になってからご覧ください。
この企画を知ってほしい! 奮闘するゼミ生たち
その後に行った反省会のなかでゼミ生から聞こえたのは「ウォーターサーバーの設置場所が分かりにくい」という声。
利用者にはウォーターサーバーを利用するために設置場所まで来てもらう必要があり、そのためには広報にもっと重点をおくべきだという結論にいたりました。知ってもらえれば利用してもらえるはず!と自分たちを奮い立たせ、ウォーターサーバーを利用する以外の目的を作るためにリユース品を設置、行先までの動画をSNSに挙げるなどさまざまな方法で広報を行いました。その中でも一番反響が大きかった広報活動が、ゼミ生による対面での声掛けでした。面識にない人に声をかけるという経験がないゼミ生がほとんどで最初は不安な表情でしたが、昼食中にもかかわらず耳を傾けてくださり「知らなかった!利用してみます!」「がんばって」「経済的に助かる」などなど温かいお言葉をいただくなかでゼミ生たちも自信がつき表情が柔らかくなったように感じました。その後も期間終了ギリギリまで続けた声掛けを通して、ゼミ生は人のやさしさに触れることができたと同時に、企画に対する自信にもつながりました。
和泉校舎にて有志で集まった声掛けチーム 撮影日:2021年11月30日
変化を実感!消費量がどんどん伸びていく!
嬉しいことに、ゼミ生による積極的な広報活動の効果はすぐに表れました。本格的に声掛けをスタートさせた11月10日の翌日には急激に消費量が増え、宣伝強化後の5~8 週目(11/29~12/23)には1 週間の平均でなんと約60ℓほどにまで消費量を伸ばすことができました(最大は12 月16 日(金)の27ℓ)。ウォーターサーバーはタンク式であったためゼミ生が午前・午後と給水を行う必要があったのですが、急激に消費量が増えた後半には給水が追い付かず、利用が停止して利用者をお待たせしてしまったこともありました。その時は、グループで担当者以外に校内にいるゼミ生を募ったり、私が比較的近場に住んでいたので自転車を走らせ全力で追加の補給をおこなっていました。 結果として、今回の活動を通じて消費された水は合計 296ℓに及び、これは500mℓ のペットボトル約593本分にも相当する量になりました。
参加するゼミ生の意識にも変化が...!?
また本企画を進めていくなかで、活動に参加するゼミ生自身のエコ意識の変化を感じる事ができたのも嬉しい出来事でした。はじめはマイボトルを広めるはずが、日頃の習慣からかペットボトルを持ってきてしまうゼミ生が私含め多くいました。森永先生を呆れさせてしまいましたが、その時に初めて「ペットボトルを利用していることが恥ずかしい...」という感情になったのを覚えています。以降はマイボトル必須でゼミ生も活動を行なうほか、SDGsの基礎知識をゼミ生同士で共有して活動を行っていきました。学生のなかには、購入するのではなく、マイボトルを持参することを「貧乏くさくみえる」「ダサい」と思う人もいるかもしれません。しかし、声掛けの中で出会った学生のなかには「水が飲みたい」と友人に連れられたこときっかけに自分も利用するようになったと語ってくれた学生もいました。それを聞いた私は、自分が設置したウォーターサーバーが学生に水を補給するための新しい選択肢として機能していること。また、それが特別な事柄ではなく学生同士のなかでフランク共有されていることに驚き、今後はエコ意識が広く広まりマイバックやマイボトルを持っていることの方が常識である社会になっていくことはそう遠くない未来なのではないかと実感しました。
おわりに
現在コロナ禍においていままで良いこととされてきた、物をシェアすることや人との交流自体が避けるべき状況に置かれているように思います。またそれは個人だけの問題ではなく全体で解決しなければいけない課題であると理解していますが、これまである程度やりたいことは気ままにやってきたなかで、コロナ禍での制限された大学生活は自分の人生観をも大きく変える出来事でした。しかし、私にはコロナのおかげで得た知見があります。それは「ふつう」と思っていることも急に「ふつう」ではなくなるということ。友達と会うだけなのにドキドキしたり、マスクをつけないと罰金だなんて今まで想像したこともなかった、まさにSFのような状況におかれています。しかし制限された環境に直面したからこそ、人との交流や「ふつう」の大切さを身に染みて感じる事ができました。本企画には、商学部事務室だけでなく和泉委員会、和泉キャンパス課、和泉教務課、そして期間中サーバーを設置させていただいていた学習支援室のスタッフの方々にたくさんの応援のお言葉や温かいご支援をいただいていました。また、ウォータースタンド社には、ウォーターサーバーを無料で貸していただき、搬入・撤去をはじめ幅広くサポートいただきました。皆様のご協力なしでは、この企画は決して進めることができませんでした。この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。
企画後に行った利用者アンケートや消費量の推移など詳細なデータ結果は、2021年度の明治大学環境展(https://www.meiji.ac.jp/koho/academeprofile/activity/environmental/eco_act_meiji2021.html)にて掲載されております。下に要旨を貼りますので興味を持たれた方は、ぜひクリックしてみてください♪
要旨: 明大キャンパス内で、無料で衛生的な水を提供することと、マイボトルの利用促進による環境意識の醸成と環境 負荷の低減は喫緊の課題であり、これらはそのまま大学の SDGs への取組にもなる。上記の面からの SDGs への取 組を検討し、キャンパス内でのウォーターサーバー(給水器兼給湯器)の需要を調べることを目的に、2021年10月21 日(木曜日)から 12月23日(木曜日)まで(うち平日の授業実施日が40日間)和泉キャンパス第一校舎1階の学習支 援室にウォーターサーバーを1台設置した。期間中の使用量の総計は 約258.6ℓであった。当初は周知不足で利用者が少なかったものの、ツイッターおよびインスタグラムを利用した宣伝活動などにより徐々に周知されるようになり、 使用量が増加し 12 月16 日には 27ℓに達した。終了後の利用者アンケートの結果からは、ウォーターサーバーの設置 の需要があることがわかった。今後、キャンパスの飲料の自動販売機がウォーターサーバーと一部でも置き換われば、 多くの SDGs のターゲット達成への貢献となることも示唆された。明大のすべてのキャンパスにウォーターサーバーを 導入して、明大が SDGs に本格的に取り組んでいることを示す「明大SDGs 宣言」を出すことを提案したい。
たくさんのご支援・ご協力ありがとうございました! 撮影日:2021年11月11日