授業

2023.05.27

NTTデータ経営研究所 茨木拓也様が脳科学のビジネス活用の実例について講演 (マーケティング管理論)

加藤拓巳(担当教員)

NTTデータ経営研究所 茨木拓也様が脳科学のビジネス活用の実例について講演 (マーケティング管理論)

2023年5月15日のマーケティング管理論にて,株式会社NTTデータ経営研究所 アソシエイトパートナーの茨木拓也氏に最新の脳科学技術の状況と,ビジネスへの活用事例について講演して頂いた。

<講演概要>
哲学・心理学・神経科学・消費者科学・計算機科学が融合的に進化したことにより、消費者により価値を届ける商品・サービスを開発することに関して、「脳・ココロ」ー「商品・サービス・広告」間のマルチモーダル・多次元情報モデリングが取られるようになってきた。
一つ目のテーマとして、消費者のバイアスについて考えた。そもそも人間の消費意思決定は合理的なのか。「正しい」意思決定のイメージは、外界の情報を正確に取り込みながら、個人的な好みに基づいた判断過程を経て、最終的な行動に至るという一連の時間軸に沿ったものであろうが、現実にはそうでないことを紹介した。また、世界をゆがめて見るバイアスのかかった意思決定の事例を紹介した。なぜ脳は"バイアス"を持つのかに関する心理学的説明として、進化的・適応的に都合がよいものしか脳に処理させないことが背景にある可能性を紹介した。二つ目のテーマとしては、消費者行動を考えるうえで認知バイアスと同じくらい大事な「学習」に関して、脳・神経系の基礎と機能から私たちが日々モノを買う仕組みまでを紹介した。
演習として、
テーマ(1):自分たちのバイアスについて自己分析
テーマ(2):自分の(消費)行動の学習成立過程ついて分析
を行い発表してもらった。
画像1.png
<講師プロフィール>
茨木拓也氏
株式会社NTTデータ経営研究所 ニューロイノベーションユニット アソシエイトパートナー / VIE STYLE株式会社 Chief Neurotechnology Officer
1988年東京都に生まれ。早稲田大学文学部心理学科卒。東京大学大学院 医学系研究科 医科学修士課程(脳神経医学専攻)修了(MMedSc)。同・医学博士課程を中退後、2014年4月にNTTデータ経営研究所に入社。総務省「次世代人工知能社会実装WG」構成員(2017年、第六回)。早稲田大学商学部招聘講師(2018年)。国際会議「脳科学の事業応用」第一回実行委員長(2019年9月)。慶應義塾大学医学部訪問研究員(2021)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 教養教育高度化機構 非常勤講師(2021)。東京大学計数工学科 非常勤講師(2022)。

MENU