ゼミ

2024.04.15

【商学部実践企画】森永ゼミ「アウトドアと防災」成果報告

森永由紀(担当教員)

 2023年の明大祭初日である11月3日、和泉キャンパスのラーニングスクエアLS401教室にて環境と防災をテーマに、「教えてモリナガサーン!環境と防災の二刀流」(写真1)というタイトルを掲げた展示を行った。ともに実感の湧きにくい環境問題および防災について身近に感じることを目指した体験型のコーナーと、知識を深めるためのポスターや論文の展示を組み合わせた。防災に関しては、災害への備えをアウトドアを楽しむことと両立させることで取り組みやすくする展示にした。明治大学の環境問題への取り組み、杉並区の環境問題への取り組みもポスター展示で紹介した。1日のみの展示であったが、会場への訪問者数は823名にのぼり、体験コーナーを中心にとても盛況であった。
1)災害コーナー
 災害時に役立つロープワーク(体験型):現役の消防士の特訓を受けたゼミ生がデモンストレーションをしながら4種のロープワークを参加者に体験してもらった(写真2)。
災害のタイムライン(ポスター):地震災害を例に、発生から3秒後、3分後、3時間後、3日後・・・に向けて何を備えるかを示した。
防災グッズ(展示):一家4人が3日間で必要な飲用水(2ℓペットボトル9本)、太陽光発電パネルと蓄電池、浄水器、非常食、携帯用コンロ、非常用リュック、懐中電灯、ラジオなどを、手を触れることができるように展示した(写真3)。災害時のトイレや非常食についてのポスターも同コーナーで展示した。また、自然災害の発生要因や、気候変動に関するポスターや、原発事故に関する書籍なども展示した。
2)ゴミ問題
 徳島県上勝町で実施されているゴミの分別を体験できるように、ミニチュアの分別所を作り、分別ごみに見立てたものを手提げ袋に入れて来場者に渡して、分別を体験してもらった(写真4)。上勝のRISE & WIN Brewing Co.代表取締役社長の田中達也氏らに7月にゼミに起こし頂いた際の記録は「商学部の現場」にある
https://meiji-commerce.jp/2023/07/27/post-295.html 「カミカツビール社長の講義と意見交換会」)
 湘南の海から砂を運び込み、砂に混ざっているマイクロプラスチックを取り出す調査の体験も行った(写真5)。また、浜辺に打ち上げられているガラスの破片で波に洗われて摩耗しているシーグラスを使った遊びの体験コーナーも設けた。
3)環境問題への取り組み 森永ゼミ、明治大学、杉並区の取り組みの紹介
 明治大学構内における節電、ドリンクサーバー設置によるプラスチック削減の取り組みの紹介、エコ商品の紹介、杉並区の環境への取り組みのポスター展示を行った(写真6)。

画像1.jpg写真1

 明大祭 和泉キャンパス ラーニングスクエアLS401教室にて展示を行った

画像2.jpg写真2


 2023年6月9日 消防士さん(右から2番目)にロープワークを習う防災担当の4年生。練習を重ねて学園祭当日は多くの人に技を伝授した。災害時でもアウトドアでも役に立ちそうである。


画像3.png写真3


 大地震の発生後、避難所ではなく自宅で数日過ごす「自宅避難」を想定して、非常用電源、ランプ、コンロ、食糧、水、避難用品入りリュック等を展示した。


画像4.jpg写真4


 徳島県上勝町が2016年から実施しているゼロウエイスト、ごみの13種類45分別をミニチュアのゴミ箱で再現した。参加者には手提げに入れたゴミを渡して、分別を体験してもらった。上勝のRISE & WIN Brewing Co.の皆様に教室に来ていただき、上勝町の環境への取り組みについて学んだ2年生が担当。


画像5.jpg写真5


 海の砂をふるいにかけ、水に浮かせてマイクロプラスチックを取り出す調査の体験コーナー。葛西臨海公園の浜辺で練習した時には、砂に無数に混ざり込んでいる大小のプラスチックの破片に驚いた。マイクロプラスチックについて学んだ3年生が担当。


画像6.jpg写真6


 明治大学の環境への取り組みや、杉並区の取り組みについても展示を行った。2023年10月16日には4名のゼミ生がフィンランドの大学生たちと共に杉並清掃工場を見学したあと、「対話から杉並の未来を創ろう」をスローガンにする岸本聡子区長と環境への取り組みに関する意見交換を行った。これまでのような行政からのトップダウンではなく、住民が自らの意思で環境問題に取り組むようになるための杉並区の仕組み作りが大変興味深い。

MENU