ゼミ

2025.03.14

加藤拓巳ゼミ4年生の蛯谷孟弘氏がThe 11th International Symposium on Affective Science and Engineeringで研究発表

加藤拓巳(担当教員)

202535-7日のThe 11th International Symposium on Affective Science and Engineeringにて加藤拓巳ゼミ4年生の蛯谷孟弘氏が研究成果を発表した。

題目:The Impact of Color-Sound Cross-Modal Correspondence on Product Attractiveness - The Role of Gendered Voices and Packaging Color Congruence in Advertising -(視覚と聴覚が認識する色の合致度が商品魅力に与える影響 -広告音声における性別と商品パッケージの色の合致の重要性-

形態:口頭発表

概要:

マーケティング・コミュニケーションにおいて,色は視覚要素として重要な役割を果たしてきた。これまで,視覚的な色とその他の感覚が機能する感覚間協応に関する研究は,実験環境にて実施されてきたものの,現実的な広告環境などへの応用可能性については議論が乏しかった。また,広告で機能する感覚である,視覚的な色と聴覚の感覚間協応に関する研究は音楽刺激に限定されており,人間の音声刺激の効果に関する研究は少なかった。そこで,本研究では,洗剤広告を対象に男女の声から知覚する色と商品から知覚する色の合致が商品魅力を高めるのかというリサーチクエスチョンを設定した。ランダム化比較試験の実施にあたり,架空の洗剤の15秒間の動画広告を作成した。広告は青色,ピンク色を基調とした2つのデザインを作成し,それぞれに男性と女性の声を組み合わせることで,合致群と非合致群を設定した。その結果,色-音声合致群の方が,色-音声非合致群よりも魅力的に知覚されることが分かった。本研究の結果は,既存の視覚と聴覚の感覚間協応に関する研究を,人間の音声刺激に拡張するとともに,広告効果の高い聴覚と視覚の知覚色について,実務家に有益な示唆を提供した。しかし、本研究は洗剤という特定の製品に焦点を当てていること,対象国が日本に限定されていること,そして性別と色の固定観念に依拠していることなどの制限がある。これらの価値観は変化する可能性があるため,今後は,商材や地域,そして色と性別の関係に関する社会的価値観の変化を考慮することが求められる。

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