2026.06.03
ゲストスピーカーによる特別授業実施報告:桂竹千代氏(落語芸術協会真打)『話芸の日本語表現』
石出靖雄(担当教員)
落語芸術協会の桂竹千代氏より、落語の実演をしていただきました。
まず、落語研究会の後輩である金原亭馬吉氏に落語を一席していただき、続いて、桂竹千代氏が二席の落語を続けて口演されました。演じたのは古典落語「猫の皿」と新作落語「古事記落語」でした。
桂竹千代氏は、はじめに、落語のアイテムとしての扇子と手拭についてレクチャーし、それらを使ったバナナやソバの食い方の模写などを実演されました。そのうえで、落語は、実際に今ここに存在しないものを聴衆に想像してもらう芸であるという説明をされました。そして、落語は小説とドラマの中間ぐらいのもので、世界最小演劇であるとも語っていました。
一席目に演じられた「猫の皿」は、旗氏と呼ばれる無店舗の道具屋が旅の途中で、猫が「絵高麗の梅鉢」という高価な皿で餌を食っているのを見かけ、これを安く手に入れようと画策する話です。有名な古典落語ですが、竹千代流にエネルギッシュに演じられていました。
二席目は、竹千代氏の創作した新作「古事記落語」でした。正式な名称かどうかわかりませんが、古事記の内容を落語に落とし込んだもので、専門家からも高い評価を得ているものです。この内容は、「落語DE古事記」として出版もされています。時間の関係で今回は天孫降臨まででしたが、続きを聞いてみたいと思わせる内容でした。大学院で研究された古事記の知識が発揮されています。
学生たちの反応もよく、竹千代氏からはとてもよい聴衆であったとほめられました。洗練された日本語の話術に接することで、話し言葉の特徴について体感することができました。



