2026.08.17
マーケティング管理論にて株式会社ローランド・ベルガー プリンシパル 赤路陽太氏講演
加藤 拓巳(担当教員)
2026年6月29日に、加藤拓巳准教授の担当するマーケティング管理論にて、株式会社ローランド・ベルガー プリンシパル 赤路陽太氏に、「ビジネス現場のマーケティング実践」をテーマに講演して頂きました。
<講演概要>
● マーケティングとは、人間や社会のニーズを見極め、それに応えることである。多くの企業はマーケティングにおける顧客の重要性を認識し、顧客中心に取り組んでいるが、顧客のみを見ている傾向がある。法規制などがもたらす社会からの要請や技術の進化なども捉え、時代の先読みをしていかなければ、長期的な経営とマーケティング(商品・サービスの開発)はできない。
● 日本企業におけるマーケティングの範囲は狭すぎる問題がある。マーケティングとは断じて広告宣伝活動のことではない。マーケティングとは経営そのものであり、事業活動すべてが対象となる。
● マーケティング部門は市場に近い場所にいるため、顧客のモニタリングも重要な役割の1つ。モニタリングの結果はマーケティング部門だけで閉じてはならない。期待通りの結果は継続や加速により事業をさらに伸ばすため、期待通りではない結果は改善して事業を成長させるため、必要なすべての組織に展開し、全社として取り組むことが重要。
● 例えば,気候変動問題や地政学リスクなどの影響によって、エネルギーの脱炭素や安定調達の問題が発生している。これらは企業の商品・サービスの開発・生産・販売に直接影響する問題であり,これらの問題への対処もマーケティングの役割である。たとえば、生産に使用するエネルギーをグリーンエネルギーに転換し、それを安定調達しないと、いわゆる「炭素税」の負担が増加して競争力を失う時代に突入していく。
● マーケティングのありがちなミスとして、主に5つ挙げられる;(1)すべての人に売れる状態を目指してしまう、(2)自社の商材の顧客を単一に定義してしまう、(3)「どうすれば売れるか」ばかり考えて「どうすれば買い続けてもらえるか」を考えない、(4)理論やデータに依存しすぎて実際の人の購買行動を忘れてしまう、(5)変わり続ける顧客の心を常に分析していない。


<プロフィール>
株式会社ローランド・ベルガー
プリンシパル 赤路陽太
デンソーでの製品事業企画、リクルートでの媒体事業統括、複数のコンサルティングファームを経て現職。ビジネスとデジタルなどテクノロジーの理解を踏まえた新事業開発やマーケティングに精通し、多くの企業の新事業開発や市場環境の変化を踏まえた事業変革を支援し、実際に世の中にリリースする実績を有する。エネルギーや自動車など製造業の専門知見を有し、メディアからの取材や産業団体での基調講演などの実績も多数有する。



