授業

2026.09.24

ファッション研究の多様な視点を学び自分の関心を概念化する

小野瀬 慶子(担当教員)

本授業では、ファッションへの関心を学術的な次元へと転換しいくことを目的として、先行研究の輪読とディスカッションを行いました。まだ曖昧なファッションへの関心の輪郭を明確化させていく視座を獲得し、同時にそれを伝えるための語彙を増やしていくためです。

春学期に輪読した文献は以下三点です。

1.    イギリスのファッション社会学研究者であるジョアン・エントウィスル『ファッションと身体』第二章ファッションと衣服の理論、第7章ファッション産業
2.    イギリスの人類学者ティム・インゴルド『メイキング』第一章内側から知ること、第二章の生命の素材
3.    フランスのエセック・ビジネススクールで教鞭をとるイヴ・アナニアらによる『世界のラグジュアリーブランドはいま何をしているのか?』第一章新しい消費パターンに立ち向かう

最初は、構造主義、ポスト構造主義、記号論、二元論など、前提知識が必要な言葉に戸惑いもありましたが、わからない点を確認しながら根気強く文献を読み進めました。その後、文献に登場する概念や筆者の主張について、それぞれのファッションにおける経験を事例として交えながら、自由にかつ批判的にディスカッションを行いました。

授業の中盤、第6回目の授業には、ゲスト講師として、繊研新聞社デジタルチーム(現在は業務局)の木村英恵さんをお迎えし、現在の業務内容、ファッション産業で仕事をする面白さ、メディアから見たファッション産業の課題などについて、リラックスした雰囲気でお話を伺いました。木村さんは明治大学出身であり、木村さんのこれまでのキャリアについて、履修者から積極的な質問がなされました。

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繊研新聞木村さんのレクチャー

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繊研新聞木村さんのレクチャーを伺う

授業の最終発表会では、これまで輪読した文献の中から、最も興味をいただいたファッションをめぐる概念や筆者の主張を選択し、そこに自身による経験の事例を交えながら、批判的に考察・発展させるという課題に対して、全員が口頭にて発表を行いました。
履修者による発表の内容は以下の通り、それぞれの関心に基づいた多様な視座からなされました。

「澤田心 変化と普遍性から考えるファッションの価値」
「高橋望月 バルトの記号論から考えるSNS時代におけるテクストと身体」 
「向晃生 コミュニケーションとしてのファッション」
「尾幡春也 状況被拘束的身体的実践としてのファッション」

半年間の先行研究輪読、及びディスカッションを通して、全員が、曖昧であったファッションへの関心を明確化する視座の獲得と、それを表現する語彙を増やすことで、日常の自身のファッション経験と結びつけながらファッションについて思考を深めることを、達成していました。消費や装いのような固定化された視座に限定されることなく、自身の興味関心に沿った独自の視座を見出せたことは大きな成果です。さらに、多様なシーンで自分自身のファッションに対する考え方を明確に、かつ自信を持って表現し、伝えていくことができるようになった、という嬉しい成果につながっています。皆さんのファッションビジネスにおけるこれからの活躍がとても楽しみです。

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最終成果発表の様子1

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成果発表会の様子2

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