2020.10.14
特別テーマ実践科⽬A「大災害時代の復興未来学」成果報告会報告
洞口拓磨(担当教員)
2020年8⽉1⽇に特別テーマ実践科⽬A「大災害時代の復興未来学」・「社会が求める科学技術イノベーション」の春学期成果報告会を合同で開催しました。
この「大災害時代の復興未来学」は、2018・2019年度開講した「東日本大震災を学ぶ」の後継授業です。東日本大震災から9年が経ち、未だ悲観的な情報に目が向きがちですが、被災地は未曽有の災害から確実に復興への道を歩んでいます。現在「復興学」という学問領域が立ち上がりつつあります。しかし、災害に対する議論が自然科学・社会科学を問わず広大な学問分野に及ぶことと、どの段階を以て復興と呼べるのかは本来誰にも決められるものではなく、極めて定義が難しい学問領域だと言わざるを得ません。この授業では、自然災害が起こる理由を科学的に考察し、復興について考え続ける重要性を学びます。
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、終始オンラインでの授業でしたが、Zoomによるリアルタイム配信やGoogleスライド等の共同作業ツールを駆使して、成果報告会に向けたグループワークを進めました。授業では各学生が必ず2つのテーマに関わり授業全体で5つのテーマについてグループワークを展開し、最終的に3つのテーマが成果報告会での発表に至りました(※プログラム参照)。残りの2つのテーマについてもここで終了ではなく、秋学期以降も発展的に継続する予定です。
成果報告会は、Zoomを用いてオンラン上で開催しました。特別テーマ実践科目A「大災害時代の復興未来学」と同じく特別テーマ実践科目A「社会が求める科学技術イノベーション」を合同で開催したのは、学生ができるだけ多くのテーマに触れ、オンライン授業で少なくなりがちだったコミュニケーションの機会を最大限確保するためです。
当⽇は、参加学生も含め商学部で生命科学を担当されている浅賀宏明先生、外部専⾨家⽀援委員(※文末に記載)により、⾮常に濃密な質疑応答がなされました。各グループでは、「予想質問」とその「解答」をバックアップスライドとして作りこみ発表に臨みましたが、それでも苦戦する場⾯もあったようです。
そもそも、未曽有の災害を知るためとはいえ、商学部の文系の学生に包括的な科学教育を試みることは、極めて⼤きなチャレンジだということはよく理解していますが、春学期の授業期間中にも熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨等、様々な災害が発生しており、毎年授業の想定を大きく超える現実が突きつけられます。このような課題に対し、膨大な情報に触れる授業は、当初学⽣にとっては⼤変な内容であったに違いなく、実際にそのような感想を述べています。しかし、災害を当然のものとし復興というテーマを扱う以上、科学的・社会的双⽅の観点からも授業に妥協は許されませんでした。この授業を通して学⽣の被災地に対する理解が深まり、ささやかではありますが復興の⼀助となれば幸いに思います。
最後に、お忙しい中本成果報告会にご参加頂いた外部専⾨家⽀援員の⽅々、及び本報告会開催にご協⼒頂いた商学部事務室の⽅々に深く御礼申し上げます。ご協⼒有難うございました。
2020年度特別テーマ実践科目A成果報告会プログラム
- 月曜3時限「大災害時代の復興未来学」
- 月曜5時限「社会が求める科学技術イノベーション」
- 日時:2020年8月1日(土)12:30開始
- 場所:Zoomによるオンライン開催
プログラム
- 12:30 授業紹介
- 12:35 外部専門家支援委員紹介 「大災害時代の復興未来学」発表開始(発表20分+質疑応答10分)
- 12:40「首都機能分散」
- 13:10「気候変動による災害と食料問題について考える」
- 13:40「復興のための災害予測」
- 14:10 休憩 「社会が求める科学技術イノベーション」発表開始(発表20分+質疑応答10分)
- 14:20「新時代の環境問題~スペースデブリ~」 14:50「虫害の対する科学技術」
- 15:20「AI✖量子コンピューター」
- 15:50 総括・外部専門家支援委員より
- 16:20 写真撮影
- 16:30 解散
外部専⾨家⽀援委員 吉澤⼀⺒ 様 (東京理科⼤学薬学部疾患薬理学研究室 准教授)
川端⿇莉⼦ 様(アマゾンジャパン株式会社⼈事部Assistant Program Manager)