授業

2025.05.29

「特別テーマ実践科⽬C_三浦市」における参与観察 ―「道寸祭り」に「諸役」として参加し地元住民と交流(参与観察)―

松尾 隆策(担当教員)

2025年度春学期「特別テーマ実践科目C_三浦市における地域振興と観光まちづくり・基礎編」(担当:松尾隆策)では、三浦市の歴史と向き合う:「道寸祭り」への参加と城ヶ島でのフィールド調査を実施しました。

2025年518日(日)に、明治大学商学部の授業「特別テーマ実践科目C(三浦市)」では、履修学生が、神奈川県三浦市における伝統行事「道寸祭り」への参与観察と、お祭り会場での観光客に対するアンケート調査を行いました。この授業は、三浦市の皆様のご協力のもとで継続的に実施されている実践的な取り組みであり、学生が現地に入り込み、地域の方々との交流を通して、地域の課題や可能性を自ら発見・提案していくことを目指しています。

道寸祭に諸役として参加(午前)

午前中は、戦国時代に新井城で奮戦した三浦道寸・荒次郎親子を偲ぶ「道寸祭り」に、「諸役(しょやく)」として参加しました。この祭りは、三浦一族の伝統芸「笠懸(かさがけ)」を再現する地域の重要な文化イベントであり、地域の記憶や誇りを今に伝えるものです。

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写真1 伝統衣装を着用しての集合写真

本授業では、この「道寸祭り」への参加を単なる見学ではなく、地域社会に入り込み、住民の一員として役割を担うことで、地域の文化や社会構造を内側から理解しようとする「参与観察(participant observation)」の一形態と位置づけています。これは、調査対象と適度な距離を保ちながらも、実際に地域活動に加わることで初めて見えてくる地域の課題や関係性に気づくことを重視したアプローチです。

学生の声:アンケート調査と地域の魅力

祭りの合間には、観光客に対するアンケート調査も実施されました。

「観光に来た方から『歴史ある行事に初めて触れた』『地元の方々と交流できて楽しかった』という声が多く、イベントの持つ地域資源としての価値をあらためて感じました」
(商学部3年・学生のコメント)

城ヶ島での地域調査(午後)

午後には、三浦半島最南端の城ヶ島にて、観光資源や自然環境に関するフィールド調査を実施しました。

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写真城ヶ島・岩礁地帯での集合写真

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写真調査の様子:自然環境と観光地としての現状を観察

 

おわりに

本授業は、地域の皆様の温かいご理解とご協力によって成り立っています。学生たちにとって、「現地に身を置き、自分の目と耳と身体を通して地域に触れること」は、机上の学びとは異なる貴重な経験となります。

今後もこのような学びの機会を通じて、学生たちが社会の現場に関心を持ち、地域に根差した課題解決に向けた提案力を養っていければと願っています。

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