授業
2025.06.20
マーケティング管理論にてHonda 矢内圭氏の講演
加藤拓己(担当教員)
2025年6月16日に,加藤拓巳准教授の担当するマーケティング管理論にて,Honda 二輪事業統括部 主任 矢内圭氏に,「グローバル企業における海外駐在のススメ」をテーマに講演して頂いた。
<講演概要>
- 前職入社当初は,景気が良く,新人でも販売実績を上げることが難しくなかった。しかし,市況によって顧客の反応は大きく変わるため,不況になると営業成績を上げることが難しくなった。そこで試行錯誤を繰り返した結果,最も重要なことは「お客様との約束を守って,誠実に対応すること」という結論にたどり着いた。これがビジネスパーソンとして,今でも大切にしている信条である。
- 国内での仕事が軌道に乗ってきた時に,「このままでいいのか?」という漠然とした不安を感じた。その後,海外での挑戦を意識し始めた時に,東京モーターショーでのHondaの「枠にはまるな。」のプロモーションを見て,真っ直ぐに挑戦をしている様に魅力を感じ,転職を決意した。
- 日本と気候・文化・食事が違う海外での仕事では,心身の健康を損なってしまうことが大きな問題になる。よって,自分の心身をマネジメントする術,心身の健康を損なってしまう要因の自己理解をすることが世界で活躍するための第一歩である。
- インド駐在時、巨大な国土を有するため,市場全体の理解をすることが難しい。そこで,インド国内にある各地域事務所のインド人責任者と駐在員が中心となって,迅速に本社への情報共有・対策立案・実行を推進する役割を担う。また,現地スタッフの人材育成も重要な仕事である。
- インド人は,伝統的に年齢や肩書を重視するため,若手の駐在員は相手にされにくい。そこで,お客様同様に,現地のスタッフにも信頼されるために,有力な戦略を策定して,誠意を持って丁寧に説明し続け,自身の想いの強さを伝えることが求められる。ただし,戦略のロジックは重要だが,それ以上に最後は想いの強さが勝敗を分ける。
- 日本のグローバル企業に入社して海外駐在するメリットは大きく3つある。(1)渡航準備全般の心配をすることなく,海外に行くことができる。(2)海外でトラブルが起きても,会社が支援してくれる。(3)帰国しても,日本でのポジション・仕事が用意されている。
- 人生は一度きり。思い切って挑戦しないともったいない。海外で挑戦してみたい人には,Hondaのような日本のグローバル企業は大きなチャンスがある。
<講師プロフィール>
Honda 二輪事業統括部 サービス部 テクニカルサービス課
主任
矢内圭氏
顧客満足度向上やアフターセールス収益強化の二軸で海外現地法人や販売店のサービス業務強化に従事。