卒業生訪問

2021.11.17

【卒業生訪問】 近藤健さん(1987年卒業)

出見世信之(担当教員)

11月5日、出見世ゼミナール18期生が商学部の卒業生で、富国生命保険相互会社で
執行役員業務部長をされている近藤健さんをZoomで訪問しました。近藤さんは、以前は、人事部長もされていたので、就職活動に関することも質問しました。

Q:近藤さんは、どのような学生時代を過ごしていましたか?
A:ゼミは、保険やリスクマネジメントを研究する森宮康先生のゼミに所属していました。そのため、森宮ゼミの同期は、リスクマネジメントということで損害保険会社に就職することが多かったです。ゼミ活動以外にも、サークルにも参加していました。


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Q:近藤さんが就職活動の時期に考えていたこと、入社時のモノサシにしたことは何ですか?
A: 就職活動の前に、これから伸びていく業界、自分の人生に役に立つ業界、自分の強みを活かせる業界は、それぞれどこかと考えました。まず、森宮ゼミでの学びから、人のリスクを掘り下げたいと考え、生命保険業界を選びました。次に、自分は大手企業で埋もれるように働くよりも中堅企業で伸び伸びやりたいと考え、1983年に医療保険の販売を他社に先駆けて行っていたことから富国生命を選びました。

Q:生命保険業界の仕事には、どのようなものがありますか。
A: 生命保険は、社会保障が縮小する中で、自助で賄えるものです。そのため、仕事としては、いわゆる保険の営業を行う営業職があります。私自身も営業職から始め、その後、営業所長になりました。営業以外には、保険金を支払えるように保険料として集めた資金を運用する仕事があります。また、保険の申し込みの段階から保険金の支払いの段階までに関わる事務系の仕事もあります。さらには、新たな保険商品を開発するような企画系の仕事もあります。

Q:近藤さんが入社した1987年からの生命保険業界の変遷について教えて下さい。
A: バブル経済とその崩壊の影響は、保険に限らず、銀行、証券などに金融業界全体に及びました。そのため、中小規模の生命保険会社が合併したり、外資へ身売りしたりしました。また、以前よりも規制が増加しました。現在は、次の変化の状況にあると思っています。

Q:貴社のCSR活動について教えて下さい。
A: CSR活動として、社会貢献活動も行っていますが、健全な生命保険事業を営むことそのものがCSR活動と考えています。運用の面では、環境保護への取り組みを評価して投資先を選定したり、優先に投資を行ったりしています。いわゆる、ESG投資を行っています。


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Q:執行役員という立場は大きな責任とプレッシャーがかかると思いますが、それらが重くのしかかることは多いのでしょうか。また、プレッシャーへの対処法は何ですか?
A: ポジションが上がるほど、責任が増しプレッシャーも増えます。責任やプレッシャーのない仕事はないでしょう。決断をするのが役職者の仕事で、決断には正確さとスピードが求められます。そのため、日頃から訓練や準備が必要になります。プレッシャーは楽しむべきものとも思いますが、それへの対処法は、気持ちを休めることです。旅行や飲食でもよいので、オンとオフのバランスを保つことが大切です。

Q:近藤さんが仕事で感じる喜び、悔しさを感じるのはどんな時ですか?
A: 予算や計画を達成した時、期待を超える評価をもらった時です。部下から「あなたのお陰で」や「あなたを信じるから」という言葉が出た時も嬉しいと感じます。郡山所長から異動する際、営業職とその家族が郡山駅で見送ってくれた時はとても嬉しかったです。悲しくなるのは、部下に自分自身の未熟さで給与を上げられなかった時で、自分の無力さを知る時です。

Q:次世代の若者に期待することは何ですか?近藤さんが一緒に働きたいのはどんなタイプですか?
A: 若者に期待することは、自発、利他、独創があることです。一緒に働きたいのは、刺激をくれる人、化学反応を起こしてくれる人、競争やチャレンジできる人です。

Q:近藤さんが学生のうちにしておくべきことは何でしょうか?
A: 勉強することは当然ですが、ゼミやサークル、アルバイト先などでたくさんの人脈を作ることを心がけて下さい。私は、現在でも商学部の16組のメンバーと年に時々会います。そこでの話から、仕事の上でもヒントがもらえたりします。解決は自分一人で考えてする必要はないからです。

商学部でリスクマネジメントを学ばれたとおっしゃっていましたが、責任やプレッシャーにおけるリスクマネジメントもあらかじめしておくことが大切だと思いました。テキストで、大企業と小規模な企業は得意とするイノベーションが異なるということを学んだばかりで、富国生命が医療保険の販売を他社に先駆けて行ったことを伺い、理論と実際を結びつけることができました。「物事の解決を、自分ひとりでする必要はない」という近藤さんの言葉に納得し、感動しました。一度きりしかない人生のうちの、一度きりしかない大学生活の中で、できる限りの人脈を広げていくことが大切だと思いました。執行役員という忙しい生活を送られている中で、私たちの訪問を受けてくださった近藤さんに心より感謝いたします。

出見世ゼミナール18期生

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