ゼミ

2024.03.04

西剛広ゼミ インド(IIMB)研修に関する報告③

3年 岡海月(西ゼミ所属)

・9月6日
その日は、車で1時間半ほど揺られ、インド有数のバイク製造企業TVS Motor社への企業訪問を行なった。1980年代には日本のスズキと合弁を組み、「インド・スズキ・モーターサイクル」として知られていた時代もあり、現在同社はBMWモトラッドとの提携を結んでいるが、その施設や文化には依然として日本の影響が色濃く残っていた。
特に印象的だったのは、「KAIZEN sheet」の導入だった。これは製品の製造ラインを効率化するため、作業員一人ひとりの改善に向けた意見を集めるシステムで、スズキとの合弁時代の名残として採用されている。興味深いことに、多くの作業員は「KAIZEN」という言葉の意味を知らずに、そのプロセスを日々実践していた。
次に訪れたのは、同社が所有するトレーニングセンターだった。ここでは新入社員が会社の全過程を学ぶための訓練を受ける。この施設も、かつてスズキとの合弁時代に作られたもので、「Dojo Center」という名前がつけられていた。訓練プログラムは、一つ一つの作業工程や研修内容をモニタリングし、分析を行い、改善を進めることに重点を置いていた。説明をしてくださった方曰くIT技術の導入によりこれまで6ヶ月かかっていた研修プログラムをなんと2ヶ月まで短縮できたそう。
同社の製造ラインと研修施設を見学したなかで如何にインドがテクノロジー面で優れているのかを目の当たりにした。一つ一つの作業工程や研修内容をモニタリング、分析し改善プログラムを都度更新してゆく。過去に日本国内の自動車製造ラインの見学をしたことがあった。如何に問題を視認化し改善案を打ち出し実行プロセスに乗せていくか。小学生ながらその実効性に感銘を受けていた。今回インドへと赴き自国日本の文化や技術の影響を受けた他国企業が新たな価値を創造してゆく灯火を目の当たりにし、インドの先進性への驚愕と日本人としての誇りを感じざるを得なかった。
この日の研修はインド企業のリソースを最大限活用し効率化していくこだわりを体感し、また異文化間の技術交流がもたらす可能性に感銘を受ける一日だった。(権限の問題上写真なし)

画像③-1.jpg

画像③-2.jpg※Image provided by IIMB (Bosch Bangalore)

・9月7日
この日は北に3時間ほど車で揺られ、マイソールへ赴き地域観察を行なった。主にマイソール寺院・マイソール宮殿・マイソール市場などへの観光を行なった。ここでも観察論の課題は継続され、客観的目線からマイソールが観光地として観光客に勧められる場所であるかというトピックの元、観察を行なった。

画像③-3.png

画像③-4.png

画像③-5.png

・9月8日
研修最終日のこの日はProf. Saideep Rathnamとともにこれまで行なってきた観察論の課題に関するまとめが行われた。これまでの調査により計50枚ほどになったポストイットの束をグループ化・タイトルの作成を行なった。今回のまとめ作業では主に前日に訪れたマイソールでの観察に関する情報を扱った。観察からラベルを作成し、それらをシステムダイナミックモデルに組み入れ、どの要素が観光成功に影響を与えるかを探求した。このモデル作成プロセスでは、特に外国人観光客の経験に着目し、インフラやサービスの質が地域の観光性に重要な役割を果たすことを発見した。
プロセスを通じて、観光地であるマイソールは観光客への接し方やサービスの質、遺産の維持管理、衛生面の改善がより一層必要だという結論に至った。これらの要素を改善することで、市の魅力が高まり、観光収入の増加につながる可能性があることが示された。
この研修から学んだ重要な教訓は、観察とデータ分析が、実際の問題解決策を見つける上で非常に重要であるということである。システムダイナミックモデルを使って観察した情報を整理・分析することで、問題点を明らかにし、効果的な解決策を策定することができた。また、多様な文化背景を持つ観光客に対しては、包括的かつ多言語対応のアプローチが必要であることも学んだ。
この経験は、複雑な現実世界の問題を理解し、それに対処するためのシステム思考の力を身につける絶好の機会であった。

画像③-6.png

画像③-7.png

画像③-8.png

・For international readers
This report summarizes the educational trip of Meiji University's Takahiro Nishi Seminar member to India (IIMB). It highlights his experiences and insights gained through various activities, including academic lectures and field visits. The lectures covered topics like Japan-India cultural and linguistic connections, supply chain management, and IT's role in business. He also visited major companies and explored local markets in Bangalore and Mysore. This comprehensive study program provided the student with a deeper understanding of India's economic and cultural landscape, enriching his academic and personal growth.

As a student from Meiji University, I am deeply thankful for the opportunity to participate in the training program at the Indian Institute of Management Bangalore (IIMB). My sincere gratitude goes to Prof. Jaideep Sarkar, Prof. Saideep Rathnam, and Mrs. G, Sowmya for their invaluable guidance and support throughout the program. Their expertise and dedication significantly enhanced my learning experience.
I also extend my appreciation to the representatives of the Mizuho India Japan Study Centre at IIMB and all other individuals involved. Your efforts in facilitating this program have been instrumental in my professional and personal growth.
Thank you for this unforgettable experience and for welcoming us with such warmth and hospitality. I look forward to applying what I have learned and to future collaborations that will further strengthen our ties with IIMB and all the esteemed individuals associated with this program.

Lastly, special thanks to Prof. Jaideep Sarkar, Prof. Saideep Rathnam, Mrs. G, Sowmya, Sandeep Salunkhe, Shivam Srivastava, Prabha Dinesh, Akshay Rao. I will never forget all the support and your kindness.

画像③-9.png※Sandeep Salunkhe(left), Shivam Srivastava(right)

画像③-10.png※Prabha Dinesh

画像③-11.png※Akshay Rao (center)

Mizuki Oka

MENU