2022.07.05
商学部生が北海道浦幌町を調査しました。
水野勝之(担当教員)
6月29日(水)、水野勝之ゼミナール4年生(柴田優香さん、川添悠河さん)は、水野教授、平光庸司明治大学客員研究員に同行し、北海道浦幌町の林業およびそれに関連した事業の状況を調査しました。
午前中は株式会社エムケイ(木村政憲社長)を訪問しました。木質チップ(燃料に使う)やおがくず(牛糞に混ぜて肥料づくりをする)を生産している会社です。日本の木は、長い間外国からの外材に押され気味で、せっかく育った木が大変廉価で取引されてきました。需要の少ない国内の木について浦幌の林業の手助けをしたいという気持ちで行きましたが、今はロシアのクリミア侵攻、大幅な円安に加えて、チップを燃やす大型火力発電所が国内の木を大量消費してしまっているため、国内の木が不足している状況だという衝撃的な事実を知りました。国内の木が余りその使い方を考える研究を行おうとしたはずなのに、逆に木が足りず困っているという状況が分かりました。この調査では最後にエムケイの関連する木炭工場も見学し、炭を作る釜の中も案内していただきました。
午後からは北村林業株式会社の北村昌俊社長さんと面会しました。12月に開かれるエコプロ2022(12月東京ビッグサイト。日本経済新聞などが主催)での水野ゼミの研究発表の際、浦幌の木や植物を使った試作品を作ってもらおうと考えたからです。ストレス減少効果、防カビ効果、防菌効果などのあるハマナス精油、アカエゾマツ精油のアロマディッシュを考案して学生たちは北村さんにその試作品の作成をお願いしました。北村さんはパソコンに形状を入力し自在な形に木を加工する会社の経営者も兼ねています。ハマナスのケースは可能ですが、アカエゾマツのケースではアカエゾマツの木でディッシュを作りたいので原木が必要という宿題をいただきました。
次に、ハマナスの精油の製品化を行っている株式会社チオカイの森健太社長にお会いしました。ハマナス農園の中でお話を伺いました。ハマナスの精油は大量のハマナスの花からほんのわずかしか生産できないので精油自体の販売は行っていないとのことでした。希釈液を使った製品のみ扱っているとのこと。ハマナスのアロマディッシュのケースではそこに注入する精油自体が課題になりました。
日帰りの強行日程ではありましたが、考えていたことと実際の違いについて勉強できたとともに、今後の研究の参考となるヒントをたくさん得えられた調査となりました。
浦幌町訪問の感想 4年柴田優香
約1年間調べていた浦幌町へ行くことができたことで、「調べ学習」から「実践」に移行した実感が湧いてきてとても嬉しかったです。現地では、インターネットで検索するよりも多くの現地の生の情報や課題を知ることができました。現地の方から直接お話をお聞きできるとても貴重な機会だったと感じています。今回はスケジュールの関係で日帰りの訪問になりましたが、次回訪問する際には数日かけて浦幌町を満喫したいと思いました!今回の訪問で得た情報を活かし、今後も論文や展示物の作成に努めていきたいと思います。