ゼミ

2025.01.08

「たまごプロジェクト2024」合同発表会

町田一兵(担当教員)

私たち町田ゼミ10期生は、11月に開催された「たまごプロジェクト2024」で得た経験や知見を共有する合同発表会に参加しました。 

発表会は11月16日に実施された「たまごプロジェクト2024」の実施結果に基づき、各校からプロジェクト実施による成果をまとめ目的として、昨年に続き、2回目の4校同時開催となりました。「たまごプロジェクト2024」に参加された明治大学、福島大学、京都橘大学、目白大学の4校とプロジェクトの開催に協力していただいたヤマト運輸株式会社の高橋様にオンラインご参加いただき、各校の優秀作品の紹介と全体を通しての講評を行いました。 

優秀作品の紹介では季節感満載のクリスマスカラーの編み物でたまごを包み込んだ作品や、割りばしでたまご一つ一つを宙に浮かせた作品といったように、参加者それぞれの個性や発想力が垣間見える作品が多数紹介され「こんな素材が梱包に使えるのか!」とゼミ生一同新しい発見や学びを得ることができました。 

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↑優秀作品の例 

 

中でも今回町田ゼミから提出した22作品から見事1位に輝いた峯尾君の作品を紹介したいと思います。 

他校から工夫した点として、緩衝材に「わら」と「もみ殻」を使ったことで、素材のユニークさに高い評価を受けました。また「商品を安全に受取人のもとへ届ける」という梱包において、一番重要なポイントとなる「割れない」ことに関し、峯尾君の作品はたまご10個すべて割れることなく、福島大学まで無事に送り届けることができました。加えてたまごを取り出したあとに残る「わら」と「もみ殻」は堆肥として再利用可能であり、環境面への配慮といった観点からも高く評価されました。 

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↑峯尾君の作品 

 

今回の報告会を通じて、峯尾君の作品のように、たまごを割らずに送り届けることができた作品には、4大学すべてに共通点がありました。それは箱の中の隙間を無くし、中にあるたまごを固定させ、たまご同士が中でぶつかり合うことを防ぐことです。なお、この隙間を埋める材料に古着や綿、トイレットペーパーの芯や新聞紙など、身の周りにあるものを使用した作品が高得点を獲得していました。 

 実際に、報告会の終盤にヤマト運輸の高橋様から、ヤマトグループが開発した「クイックフィット」という新しい梱包資材が紹介され、高い伸縮性を持つフィルムの中に商品をいれて、包み込むことによって簡単に商品が固定できるというヤマト運輸のエコロジカル包装、シンプルでありながら安全性の高い商品特性に参加者一同感心した。 

 

しかしながら、輸送中にたまごが割れてしまった作品も多くあり、環境面を配慮した梱包の思いと内容物を保護するという安全性のバランスを両立させることの難しさを感じました。 

商品を保護することだけに注意を払ってしまうと過剰包装となり、環境負荷の増大のみではなく、商品の取り出しに手間がかかり受取人の満足度の低下につながってしまいます。 

逆に商品の取り出しやすさや、梱包の軽さなどを追求しすぎると、内容物を受取人の元へ状態良く送り届けることが難しくなってしまう。「安全性」と「環境面への配慮」をうまく両立させる難しさを、実際に自らの手で梱包することで学ぶことができました。 

 

 今回の「たまごプロジェクト2024」合同発表会を通して、各校の事例から、物流は単に安全に商品を送り届けるということだけではなく、サステナビリティが求められるようになった現代社会において、その大変さや難しさというものを肌で感じました。一方で梱包の最適化によって商品の付加価値を高め、さらには受取人の満足度向上にもつながるといった物流の面白さや奥深さも感じることができました。 

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目白大学 劉亜氷先生、京都橘大学 桑海侠先生 

福島大学 朱永浩先生、明治大学 町田一兵先生 

 

 最後になりますが、今年度も「たまごプロジェクト」開催後、このような報告会で京都橘大学の桑ゼミ、目白大学の劉ゼミ、福島大学の朱ゼミの皆さん互いの経験や教訓を学びあう機会、そしてご参加いただいたヤマト運輸株式会社の高橋様に深く感謝申し上げます。 

       

(文責:「たまごプロジェクト2024」優勝者 町田ゼミ10期 竹内 祐太) 

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