研究

2015.07.31

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業/明治大学研究クラスター

横井 勝彦

「日本の政治家、官僚、経済人、学者はなぜ地球規模の問題に関心が薄いのだろうか。『人口』『環境』『軍縮』・・・」これはちょうど今から20年前の『朝日新聞』(1995年9月6日、朝刊)に当時の編集委員が書いた一文です。その後、「人口」と「環境」については、それなりに関心が高まったと思いますが、「軍縮」に関する関心は、残念ながら依然として低いままです。
 かつてノーベル賞学者のクライン・米ペンシルバニア大学名誉教授は「人口、環境など第三世界に関係ある問題を解決する費用は結局、日欧米の三極が負担するほかない。だが、軍縮を進めない限り、十分なカネは出ようがない。経済学者として軍縮に関心を持つのは当然ではないか」と言っています(『朝日新聞』同上)。
 しかし、軍縮・軍備管理の問題に対する経済学者の関心は依然として低いままです。複雑化した現代の軍縮・軍備管理問題は、歴史を遡ることによって、その本質的構造を浮彫にすることが期待できるかも知れませんが、残念ながら歴史研究の分野でもあまり大きな成果は見られませんでした。

2006年6月国連ビル前広場で武器規制強化を訴える
国連会議場前のモニュメント
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