授業

2020.01.29

特別テーマ実践科目 福生市でフィールドワークを実施 1

文責 吉川璃子

 1月18日、特別テーマ実践科目の一環として学部の一二年生8人及び中川秀一教授(人文地理学専門)が福生市でのフィールドワークを行った。この授業では学生が興味のある土地に対して数か月にわたる事前調査を行った後、現地に赴き調査を行う。文献などによる事前調査の中で、今回私たちは福生市に関して2つのテーマを取り上げることにした。一つは、横田基地の存在がどのような影響を周囲に与えているか。もう一つは、玉川上水と酒造の関係である。

 テーマの決定後、各テーマにそったフィールドにアポイントメントをとり、今回初めて現地を訪問した。今回の調査でフィールドとして選んだのはベースサイドストリートと石川酒造である。

 まず、横田基地の影響について知るために福生市武蔵野商店街振興組合の富田勝也理事長及び、福生市市商工会の山崎秀樹さんにインタビューを行った。インタビューはベースサイドストリート沿いにあるアメリカンハウスで行われた。この建物は朝鮮戦争などで増員された米兵のために横田基地の近くに建てられた一軒家で、現在は商店が並ぶ一角の一軒が観光用に保存されている。住宅街の中には現在でも住居として使用されているアメリカンハウスが何軒か見られた。

アメリカンハウス外観  ハウス内は米軍の兵士たちが住んでいた当時の暮らしが再現され、レトロ故のオシャレさがありSNS映えのする内装となっていた。

 インタビューでは横田基地と商店街のこれまでの関わり方や今後の取り組みについて伺った。福生市は中央を走る青梅線によって東西に分かれており、かつて東西を結ぶ橋ができる前はその文化もかなり異なっていた。横田基地を擁し、軍人向けに商売を行っていた東側に対して、西側は青梅などの周辺地域から日用品を買いに来る人で賑わっていたそうだ。現在はモータリゼーションにより大型店が増え、かつての商店街から人が減りまた違った様相を見せている。この動きは東側に位置するベースサイドストリートでも見られ、山崎氏は今後、街が持っている「アメリカン」な店などを観光資源として商店街を観光地化させていく必要があると話した。

 また商店街に関してだけでなく、近隣住民が横田基地に対してそれほどマイナスなイメージを持っておらず福生市全体がのんびりとした空気感を持っていることなど、文献調査では知ることのできないことをたくさんお聞きすることができた。福生市では家の近くのラーメン店に行って軍人が隣でラーメンを食べているのがあたりまえであると聞き、同じ都内に住みながら全く違った文化や日常を送っているのだと興味深く思った。

アメリカンハウス内
アメリカンハウス内
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