授業

2021.08.18

【特別テーマ実践科目】オンラインならではのラテンアメリカ・カリブ地域異文化交流

中林 真理子(担当教員)

 オンライン国際交流講座「ラテンアメリカ・カリブ地域異文化国際交流プログラム」は、ラテンアメリカ・カリブ(以下LAC)地域の協定校等の学生とのビデオカンファレンスを通じて積極的な意見交換やプレゼンテーションを行うことで、LAC地域の異文化を真に理解し、様々な分野で将来日本とLAC地域の国際的なパートナーシップの橋渡しに貢献する人材を育成することを目的としたオンラインをメインにした講座です。

 春学期を通じてコロンビア、ブラジル、アルゼンチンの協定校等と6回のビデオカンファレンス(5回は英語、1回は日本語で実施)を行いました。世界共通の話題である新型コロナウィルスに関連する問題をテーマとし、受講生と相手校の学生がそれぞれ2チームに分かれてZoomの2つのブレークアウトルームに両校1チームずつ入り、両校の教員のうち1名がコーディネーターを務め、お互いにプレゼンテーションとディスカッションを行い、最後はメインルームに全員集合してまとめを行いました。カンファレンス前週の授業には協定校の教員が30分程度オンラインでゲスト参加してレクチャーを行い、相手国に関する理解を深めるとともに、翌週のカンファレンスに向けたアイスブレーキング的な役割も果たしました。

 授業の最終回にあたる2021年7月21日(水)9:00amから100分の授業時間を全て使って成果報告会をオンライン開催しました。ビデオカンファレンスのコーディネートなど全面的な支援をいただいた商学研究所特任研究員の六浦吾朗氏、外部専門家支援委員の金田行孝氏、松木健人氏、さらに、ブラジル駐在中の本学OB、ビデオカンファレンスの相手校であるコロンビアEAFIT大学の羽田野香里先生と日本語クラスの学生たち、ブラジルESPMのAlexandre Uehara先生などがオンライン上で一堂に会しました。

 受講生12名はビデオカンファレンス時と同じ2チームに分かれ、1チームはこれまでのビデオカンファレンスでの議論と協定校の先生方からのレクチャー等を通じて関心を持ったテーマをさらに掘り下げた報告を行い、もう1チームはビデオカンファレンスでのプレゼンテーションを披露するとともに、授業の受講前後でどのように意識が変わったかについて報告しました。

 ラテンアメリカの民族問題を取り上げた学生に対して、協定校の先生方から日本で入手可能な資料ではわからないセンシティブな内容についてのアドバイスがあったり、ビデオカンファレンスの相手となった学生たちからも感想が聞けたり、オンラインの利点を最大限発揮した成果報告会となりました。

 受講生たちからは、「生まれて初めてラテンアメリカの学生たちと接し、それまでのイメージが全く変わった」、「最初は英語が苦手で躊躇していたが、自分から積極的に話さないと相手に何も伝わらないことがわかった」、「ラテンアメリカの学生は議論好きで、自分たちに興味を持ってくれていることが嬉しかった」など、実感のこもった感想が多くあがっていました。

 本講座は特別テーマ実践科目が導入された2009年に開講し2018年度で一度終了しましたが、今年度オンラインにより特化したリニューアルを行って復活しました。コロナ禍で受講生の募集から全てオンラインで行わざるを得ない状況になりましたが、期せずして「関心のありそうな学生に開講前のガイダンスに足を運んでもらう」という長年の課題がオンラインにより改善し、受講生確保につながり、隔週という例年にないハイペースでのビデオカンファレンスを実施し、回を重ねるごとに内容を充実させることができました。

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