2021.08.18
『これがSDGs』が出版されます!
出見世信之(担当教員)
商学部の先生方とSDGs研究会を立ち上げ、SDGs(持続可能な開発目標)について研究しています。この研究会の中間報告になりますが、明治大学グローバル人材育成シリーズの第3巻として、『これがSDGs』を出版します。SDGsを取り上げる書籍には、SDGsの17の目標のそれぞれについて丁寧に解説するものがあります。本書は、異なる研究分野の立場から、商学部の先生方がそれぞれの視点でSDGsについて重要であると思うことをまとめています。SDGsは、2015年に公表されていますので、今では多くの解説書が出版され、企業の取り組み事例を紹介する本も数多くあります。
すでに出版されているものとは異なるものにすることに加え、研究分野によっては、SDGsで掲げられていることは当たり前のことであり、わざわざ「SDGs」という言葉をつけることは奇異に思われてしまうこともあるからです。今日の食料問題の解決は、単に「飢餓をゼロに」するだけではなく、「海の豊かさ」と「陸の豊かさ」を守り、「気候変動に具体的対策を」提供するものである必要があります。そのため、『これがSDGs』では章のタイトルを単純に統一してはいません。
『これがSDGs』では、「SDGsウォッシュ」についても言及しています。「SDGsウォッシュ」とは、このようにSDGsに取り組んでいると公表しているにもかかわらず実態が伴わっていなかったり、その取り組みが実際にはSDGsの達成にほとんど影響しなかったりすることを意味しています。「SDGsウォッシュ」という言葉は、製品やサービスが「環境にやさしい」としながら、実際には、自然環境への影響が確認できない時に使われた「グリーンウォッシュ」という言葉から来ています。
『これがSDGs』においても紹介していますが、SDGsへの取り組みは、高校でも行われています。皆さんの学校はどうでしょうか。高校の中で、地域を活性化させたり、環境への負荷を小さくしたり、自然を回復させたりするような取り組みは行われていないでしょうか。高校の授業の中にも、SDGsに関わることがたくさんあると思います。「SDGsウォッシュ」を意識すると、わざわざ「これはSDGsのための取り組みです」とはしていないこともあるでしょう。皆さん自身とSDGsの関わりはどうでしょうか。
『これがSDGs』は、明治大学グローバル人材育成シリーズの1冊です。SDGsは、これからのビジネスパーソンにとって、必要不可欠な教養です。2030年までに17の目標すべてを達成するには、企業や学校といった組織体ばかりでなく、一人一人がその達成に関わることが必要になります。SDGsを知り、そのために自分自身ができることをすることは、SDGsを達成するための第1歩になります。SDGsに興味のある方は、是非、一度、『これがSDGs』を手に取り、ページを捲ってみてください。