2021.09.28
特別テーマ実践科⽬A「社会が求める科学技術イノベーション」成果報告会報告
洞口 拓磨(担当教員)
2021年8⽉4⽇に特別テーマ実践科⽬A「大災害時代の復興未来学」・「社会が求める科学技術イノベーション」の秋学期成果報告会を合同で開催しました。私が担当するこれらの科目を合同で開催したのは、学生ができるだけ多くのテーマに触れ、オンライン授業で少なくなりがちだったコミュニケーションの機会を最大限確保するためです。
イノベーションとは、ある成熟した特定の分野の持つ手法を他分野の課題解決に適用し、その上で社会的意義のある新しい価値を創造することです。この授業では、社会が求める課題を「医療」・「環境」・「農業」の三分野に代表し、イノベーション促進の背景にあるビックデータと情報技術の発展によって、これらの課題がどのように解決され得るのかについて考察することを目標としています。
春学期は対面での授業を開始しましたが、学期中の二度の緊急事態宣言により途中zoomリアルタイム配信に切り替えるなど、受講生にとっては負担の大きい学期となったと思います。今年度はPowerPointをオンラインで共有し、成果報告会に向けたグループワークを進めました。授業では各学生が必ず2つのテーマに関わり授業全体で5つのテーマについてグループワークを展開しました(※プログラム参照)。
成果報告会は、コロナ禍の影響もありZoomを用いてオンラン上で開催しました。当⽇は、参加学生も含め商学部 森永由紀先生、浅賀宏昭先生、外部専⾨家⽀援委員(※文末に記載)により、⾮常に濃密な質疑応答がなされました。
以下、学生からの感想の一部を抜粋します。
- 発表スピードや抑揚の付け方が以前よりも上手く出来たと思う。スライドの構成やレイアウトに今まで以上にこだわるようになった。
- こうした形で発表を行うことは初めてで、グループワークの経験もあまりなかった。また、がんやスペースデブリといった詳しくないことを研究したため、すごく苦戦した。リーダーとしてふるまうことがあまり得意ではなかったが、少しずつ自覚をもってグループを導けるようになった。自分自身がすごく成長できた。
- 始めた頃と比較して、何かを調べる際に、一つのサイトや記事を見て理解するのではなく、例えば反対意見が書かれているものなど、複数の情報を見てから自分の中で理解する癖がついたと思います。
- 始めは、スライドの作り方など分からなかったが、今ではスライドは端的に作ることができ、情報リテラシーを習得することが出来る様になって成長したと感じる。反省するところは、先輩方に頼っていて、意見をもっと積極的に言うことができなかったことである。
- 漠然とした知識を、最低限まとめられて発表できた点が成長した点だと思う。あまり具体的な質問回答ができなかった点が反省点だと思う。
- 今回はオンラインだったのでそれほどではなかったものの、やはり外部の方や多くの生徒の前で発表するのは緊張した。しかし、初めの頃と違って自分たちで調べてまとめ、考えたものがベースにあるため、それによる多少の自信があることで安定した発表ができたと思う。
- 調べていく中でいろいろなことを知ることが出来て、とてもためになった。また、発表構成などの練習にもなった。秋学期も頑張っていきたい。
- 他の授業と違い、非常に実践的な授業で先生のフィードバックも的確で、とてもためになったと思います。
- 商学部にもかかわらず、がんや宇宙の理系の分野を学ぶことができて、多角的な視点を養うことができる良い経験になった。また、情報を利用するときのルールを身につけることができて、とても役立った。成果報告会を通して、自分の調べたものとは違うグループの発表を聞くことができてよかった。
- 履修科目の中でも中々大変な授業でしたが、その分学べたこともたくさんありました。特に、自分の興味のあったAI分野での、部分的ですが、基礎知識が得られたことが嬉しかったです。
- とても良い勉強になりました。今後コロナもあってこのような研究、しかも理系の分野の経験などなかなかできる気がしないので、学んだ知識や学問に対する向き合い方を他のことに生かしていければなと思っています。
- テーマについて調べる過程で多くの知識を得、世界の現状を以前より深く知ることができ、自らの知見を広げることができました。
今年度は対面とオンラインの切り替えが多く、学生には昨年度のコロナ禍とは違う苦労があったように思います。授業環境が定まりにくい中、学生の努力によりここまでの成果を得ることができました。1・2年生の学生には大変な授業だったと思いますが、最終的な感想を見る限り春学期としては十分な学びを得ることが出来たように思います。この授業が、学生たちの継続的な学びのきっかけとなり、これからの社会問題を考察する一助となれば幸いに思います。
最後に、お忙しい中本成果報告会にご参加頂いた外部専⾨家⽀援員の⽅々、本学商学部 森永由紀先生、浅賀宏昭先生、及び本報告会開催にご協⼒頂いた商学部事務室の⽅々に深く御礼申し上げます。ご協⼒有難うございました。
2021年度特別テーマ実践科目A成果報告会プログラム
月曜3時限「大災害時代の復興未来学」
月曜4時限「社会が求める科学技術イノベーション」
担当教員:商学部 洞口 拓磨
日時:2021年8月4日(水)12:00開始
場所:Zoomによるオンライン開催
プログラム
12:00 授業紹介・外部専門家支援委員紹介 明治大学商学部 特任准教授 洞口拓磨
「大災害時代の復興未来学」発表開始(発表+質疑応答:25分)
12:05「トリチウム水の放出問題と福島の現状について」 商学部1年生:1名・2年生:1名
12:30「原発事故から10年~空間線量から見た福島の復興~」 商学部1年生:1名・2年生:3名
12:55「異常気象が伝えるシグナル~複雑に絡み合う要因~」 商学部1年生:2名・2年生:2名
13:20「海面上昇がもたらす課題」 商学部1年生:1名・2年生:2名
13:45「非常時の科学コミュニケーション」 商学部1年生:1名・2年生:2名
14:10「再生可能エネルギー~脱炭素社会に向けて~」 商学部1年生:2名・2年生:2名
14:35休憩(10分)
「社会が求める科学技術イノベーション」発表開始(発表+質疑応答:25分)
14:45「スペースデブリと火球」 商学部1年生:2名・2年生:2名
15:10「がん予防とセルフメディケーション」 商学部1年生:2名・2年生:2名
15:35「エナジーハーベスティングと電力貯蔵技術」 商学部1年生:1名・2年生:2名
16:00「がんに関係するウイルス・細菌・虫」 商学部1年生:0名・2年生:3名
16:25「AIとは?」 商学部1年生:2名・2年生:1名
16:50 総括・外部専門家支援委員より
17:30 写真撮影
17:35 解散
外部専⾨家⽀援委員
吉澤⼀⺒ 様 (東京理科⼤学薬学部疾患薬理学研究室 准教授)
水野統文 様 (聖路加国際病院放射線治療品質管理室 室長)