授業

2023.12.14

2023年度(秋)ゲストスピーカーによる特別授業:大槻正志氏【テーマ:新しい保険の可能性~少額短期保険の概要とその発展】

中林真理子(科目担当教員)

ゲストスピーカーによる特別授業について、以下内容で実施いたしました。

1.実施日

2023年 12月8日(金)10:50~12:30

2.実施場所

リバティタワー1134教室

3.科目名

保険学B

4.ゲストスピーカー

大槻 正志 氏
(肩書:日本少額短期保険協会 理事事務局長)

5.実施内容

 少額短期保険は2006年の制度成立以降、その参入しやすさから事業規模の伸長が続いていて、「少短」「ミニ保険」とも呼ばれることも多い。「小さいながらも勢いがあり進化が面白い業界」であり、特長のある商品、経営上の創意工夫、 インシュアテック(InsurTech)を効果的に活用し、生命保険会社・損害保険会社とは異なるビジネスモデルが存在している。

 当日の授業は「イントロダクション 少額短期保険の隣接業界」「第1章 少額短期保険とは?」、「第2章 少額短期保険が成長したその理由」、「第3章 少額短期保険を巡る新潮流」、「第4章 少額短期保険とSDGsの取り組み-孤独死保険と孤独死対策-」、「第5章 少額短期保険の課題」の構成で実施された。

 少額短期保険の設立経緯からと、創成期から今日まで右肩上がりの成長を続けている要因として、徹底したアウトソーシングによるローコスト経営と先進的な商品開発や販売手法について実例を挙げてご説明いただいた。そして、近年マーケットシェアを急速に拡大させているペット保険について、少額短期保険会社と損害保険会社でのチャネルの違いや支払い実務での課題などが示された。

 日本少額短期保険協会による特別講義は定期的に実施しているが、今年度の特徴は同協会における孤独死に対する取組みの実施状況を取り上げていただいたことである。もともと賃貸住宅の家財保険に特化してきた少額短期保険では、孤独死が生じた物件での支払いなどを行ってきた経験から、これまでに7回「孤独死現状レポート」を発行している。SDGsの観点からも、孤独死撲滅に取り組むことは、孤独・孤立対策を一歩前に進めることにつながるとの認識が示された。

 多岐にわたる内容の講義で、学生たちは大いに新たな刺激を受けた様子だった。

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