ゼミ

2024.09.21

第26回日本感性工学会大会での研究発表

加藤拓巳(担当教員)

2024年9月12-14日の第26回日本感性工学会大会で加藤拓巳ゼミの学生が研究を発表した。

<研究1>
著者:古城美紬、荒畑徹汰、関谷帆華、佐藤美遊、永田ひより、加藤 拓巳
タイトル: 環境活動における事業との関連性が企業ブランドイメージに与える影響
形態:口頭発表
概要:時代の要請を受けて,植樹活動などの環境に関するCSRを多くの企業が実施している。しかし,これらの活動は企業の事業内容と関連性が乏しい。CSV(creating shared value)経営によると,社会的問題を解決しながら,同時に利益を得る経営の重要性が訴えられているが,現実は事業と環境活動が切り離されてしまっている例が散見される。そこで本研究では,「環境活動における事業内容との関連性の高さは企業のブランドイメージに影響を与えるか?」というリサーチクエスチョンを設定した.日本における食品メーカーを対象にし,オンライン調査環境でランダム化比較試験によって検証した。その結果,商品・サービスに直接関連する環境施策と慈善的な環境施策を同時に訴求することで,企業の環境ブランドイメージが高まることが明らかになった。

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<研究2>
著者:左中瑠奈,橋本萌夏,丸山実花,本家侑弥,加藤拓巳
タイトル:キャッシュレス決済における決済音がサービスの魅力度に与える影響
形態:口頭発表
概要:感性マーケティングの発展に伴い,五感に訴えかける商品・サービスの価値づくりは広く普及した。しかし,キャッシュレス決済に目を向けると,まだ決済音というプロダクトサウンドの議論は乏しい。そこで本研究は,「キャッシュレスにおける決済音はサービスの魅力を高めるか?」というリサーチクエスチョンを定めた。オンライン調査環境でランダム化比較試験を行った結果,機械的な単音に比べて複数音はサービスの魅力を高める一方で,喋る音は魅力を下げた。単音は,従来から機械の動作の終了やエラーの発生を伝える役割を担ってきたため,複数音の方が正の印象を生み出しやすい。また,喋り音は,決済の際に大きな音声が出ることを恥ずかしいと心理的負担を感じる人が一定数存在することが原因だと推察できる。


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<研究3>
著者:依田智也,小澤裕太,宮﨑みおり,辻川和花,与那嶺瑠夏,加藤拓巳
タイトル:自動運転車の嫌悪感を低減させるマーケティングコミュニケーション
形態:口頭発表
概要:消費者向けの商品・サービスは一部の消費者群をターゲットと定め,その人々に好かれるマーケティングコミュニケーションを展開する。一方で,交通などの社会的サービスは, ターゲットを限定することができないため,世論として嫌悪感を抱かれたら,サービスの導入が難しくなり,大幅な遅延を招く。しかし,マーケティングコミュニケーションに関する既存文献は,好感を高める要因に知見が偏っており,嫌悪感を低減させる知見は乏しい。そこで本研究では,今後の普及が想定される自動運転車を対象として,「動運転車のマーケティングコミュニケーションにおいて,高齢層を起用すると嫌悪感が低減する」という仮説を設定した。ランダム化比較試験の結果,仮説は支持された。特に20代~30代の若年層の消費者で,その効果は顕著であった。


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