2024.11.12
ゲストスピーカーによる特別授業実施報告:木村彰宏氏【ベンチャー企業(新規事業)における世界と日本の違い 世界を平和にする起業とレジリエンス】
中林真理子(担当教員)
1.実施日
2024年11月8日(金)10:50~12:30
2.実施場所
駿河台キャンパス 1154教室
3.科目名
保険学B
4.ゲストスピーカー
木村彰宏氏(肩書:株式会社ヤマップネイチャランス損害保険 代表取締役社長)
5.実施内容
2024年に事業免許を取得した最も新しい損害保険会社である株式会社ヤマップネイチャランス損害保険 代表取締役社長 木村彰宏氏と同取締役 土井桃子氏をお迎えした。
木村氏より、自身のシリコンバレー等での経験を踏まえて、ベンチャー企業(新規事業)を立ち上げる上で重要な視点として、「小さな社会課題に気付き、それを解決すること」、「暮らしを快適で豊かで安全にすることが目的であり、同時に地球環境への配慮も重要な要素であること」、「人々を巻き込むこと」などが示された。さらに日本でベンチャー企業が育たない理由や、日本のデジタル保険をめぐる課題と新たな保険サービスの可能性、レジリエンスマネジメントと自然災害への対応、日本のレジリエンスとその特性に至るまで、話題は多岐にわたった。
また、土井氏より、ヤマップネイチャランス損害保険が沖縄の経済金融活性化特別地区で設立され損害保険事業を得るまでの苦労や、自然と保険をつなぐという理念について紹介された。そして、日本の登山者の3分の2が活用しているヤマップアプリを通じた自然保護や「減災」への活用、さらに個人の歩行連動データを活用した新たな保険サービスの可能性についてまで言及があった。
木村氏は本学商学部の卒業生である。新卒で大手損害保険会社に入社してから今に至るまでのキャリアをベースにした講義は、学生たちにとって大きな刺激となったようである。当日の学生の感想では、小さなことに気付き最初のフォロワーを獲得することの重要性や、本当の情報はインターネットで調べただけでは入手できず実際に行って見てみる必要がある、といったことに対して強く共感を示すコメントが多く見られた。新しいビジネスやテクノロジーを活用して社会課題を解決し、自然や環境に優しい方法で社会に貢献しようとする木村氏の姿勢は、学生たちのロールモデルとなるだろう。
※株式会社ヤマップネイチャランス損害保険 https://yamap-naturance.co.jp/