2024.11.19
ミュンヘン・ドイツ語夏期集中講座 2024年8月の派遣を終えて
広沢 絵里子(担当教員)
2024年8月5日~8月29日にミュンヘン大学付属語学学校で開催されたドイツ語夏期集中講座に、商学部の2年生と4年生、合計9名が参加し、無事帰国しました。昨年に引き続き、ドイツへの短期留学に商学部生を派遣することができました。
派遣学生はそれぞれドイツ語学習を深めるだけでなく、ミュンヘンでの出会いや、ヨーロッパ旅行を通じて異文化に触れ、この留学を自分の視野を広げる機会にしてくれたと思います。
派遣学生のお一人、河村亮俊さんからのご報告を以下に紹介させていただきます。写真はすべて河村さんからのご提供によるものです。
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河村 亮俊(商学部2年)
ミュンヘン・ドイツ語夏期集中講座に参加してきました。いくつかの点について報告しますので、この留学を検討しているみなさんの参考になればうれしいです。
【写真1】クラス全員の集合写真
1.授業について
私はB2レベルを受講しました。授業は全てドイツ語で行われます。相当ゆっくりしゃべってくれますが、わからない単語を推理しながらリスニングするのは大変なので、名詞の性、格などの文法用語についてはドイツ語で知っていると良いです。
私の受けた授業は毎日宿題が出て、1日2時間はドイツ語を勉強しなさい、と最初の授業で言われました。内容に関しては日本で習っている内容ですから、さほど難しいことはありませんが、日本語で理解できないことをドイツ語で理解するのは私のドイツ語能力では難しいと感じたので、出発前に日本で文法などをよく勉強しておくと良いでしょう。
分からないことは「分からない」と言わないと、授業がどんどん進んでいってしまいます。今回、私のクラスには日本人が何人かいたので助け合うことが出来ましたが、分からなかった時は先生に質問をすることをお勧めいたします。
東アジアの出身のクラスメイトは概してクラスへの積極性は他の地域出身の方と比べて低めに映りました。やはり話してみると使える単語が増えてきますので、考えながらでも構いませんから発言をすることが重要であると感じました。
クラスの中でもどうしても出来る方、出来ない方、いらっしゃいます。今回は出来る方の方が積極的に発言をしてくださったので、質問のテンプレートを学ぶことができて大変ありがたかったです。「Was bedeutet ~?」(これは何を意味するのですか?)や「Warum ~?」(なぜ~なのですか?)などは、文法に間違いがあっても使うと答えていただけました。
日本人の友達がクラスにいるとつい固まりたくなります。私も固まってしまいましたが、他の国の方と授業中に交流を持つとそれはそれで楽しいので、両脇を日本人に挟んでもらうようなことはあまりお勧めしません。
2.寮について
今回私は出発前に大学を通じてぜひ他の国の方と同じ部屋にしていただきたいと希望を出してありました。うれしいことに希望が通りまして、メキシコ人の方とポーランド人の方、計3人での生活となりました。ありがたいことに2人とも年上で、共同生活にも慣れていましたので、おんぶにだっこに近い状態で過ごしました。
授業外では基本的に英語を話すことが多いので、聞き取れるというのは重要でした。あとは笑顔も重要であった気がします。私は我ながら大変な幸運を以て同室の2人に巡り合い、寮の部屋で彼らと夜まで飲むことや、一緒に近くの都市を観光したりなどしました。
また、外国人の方といっしょに住みたいという希望を出してない方はもれなく日本人のみの3人部屋になっていましたので、もし日本人だけの部屋でないようにしたいのであれば希望を出すことをお勧めします。
【写真2】寮の部屋で小さなパーティー
3.午後の過ごし方
授業は午前中のため、午後はフリーです。私は折角ミュンヘンに行ったので、出来る限り歩き回りました。ガイドブックを印刷して持っていきその日訪れる予定のあるところ、平日でしたらミュンヘン市内の部分だけを持って動いていました。毎日何もなければ何かを見ていました。例えば、レジデンツであったり、ドイツ博物館へ行ったりしました。中でも最も記憶に残っているのはルートヴィヒ二世の棺がある、地下霊廟です。見れる時間は限られていますが、とても静謐かつ、厳かな雰囲気が漂っておりました。
お昼ご飯や晩御飯は出来る限り自由度を高めにしておくと人からの誘いに乗りやすいのでお勧めです。人によっては毎日帰って寝ているだけであったりする人もいたようですが、日本でできることをミュンヘンでやっても仕方がないと考えていたのでそのようにはしませんでした。
- 【写真3】ツークシュピッツェ山頂上にて
- 【写真4】シュライスハイム城でのコンサート幕間で
4.持ち物とその消費
今回日本から持ち込んだものの中で最も持ち込んだ量が過多だったのは米です。パックご飯5食分と炊く前のコメを4合もって行きました。しかしながら、パックご飯は食べきりましたが4合の方は手を付けずに持ち帰る形となってしまいました。また、一番望郷の念が強くなるのは到着後、10日から15日あたりです。最後にとっておこうなどと考える気持ちも分かりますが、最後の1週間は自分たちも周りも、ミュンヘンでの最後の時を、別れの時を共に過ごそう、という気になっています。そのような時に持ってきた日本食が余ってしまっていると足かせになりかねません。1、2食を残して、それ以外は第2週辺りまでで食べきることをお勧めします。私の体感の時間の流れとしては、最初の1週間と後半2週間の長さが同じくらいで、第2週が第1週より少し長かったように感じました。
5.飛行機と空港
私はシンガポール航空で飛行機を取り、行きも帰りもシンガポール乗り換えでした。もちろんエコノミーで、一番窓側の席でした。代謝を落ち着かせて乗ったので、機内では一度もシートベルトを外しませんでしたが、途中でトイレに行きたい方は友達、知り合いの方の前のみを通って通路にアクセスできるようにしておくとよいでしょう。飛行機が一緒じゃない方は通路側が無難ではありますが、だんだんと近づいてくる風景はきれいなものですので、ご随意に。一声かければ通してもくれると思います。
無事飛行機が着き空港を下りたら現地での入国審査が待っています。英語かドイツ語ですが、おそらくどちらにせよ渡航目的はドイツ語の勉強をしに来たということになるかと思います。ここで入学許可証だか、在学許可証などが必要になるので、コピーでもなんでも用意しておきましょう。スマホで見せることも可能ですが、セキュリティー的に写真を撮ってはいけない場所なので、スマホを触っている人なんてほとんどいません。
さらに、グループ旅行でも何でもないので、審査は1人ずつ受けた方が無難かもしれません。何人かの塊で行くと、グループ旅行かと思われるようでそのように聞かれたのですが、そうじゃないといった途端に入国審査官の方が纏う雰囲気が固くなったので。
6.生活費で特に注意すること
基本的にどんぶり勘定のつもりでいないと精神が持ちません。ただ、おそらく周りの外国人のほうが手馴れているので、頼ることがあってもいいかもしれません。ビールがうまくて毎日でも飲みたくなるので、生活費は高くなる覚悟はしておいた方が気楽かと思います。ミュンヘンはドイツの中でもきれいな都市ですが、物価も高いようです。
最後に、私はドイツ留学を全体として楽しみつくして終えました。日本人の友人もそうですが、様々な国からの様々な年齢の友人ができ、日本ではすることのないような体験を多くしました。ここでしかできない経験であり、参加して良かったと思っています。
- 【写真5】ミュンヘン市内で食べ歩き
- 【写真6】友人たちと最後の夕食
河村さん、詳しいご報告をありがとうございました!
・・・さらに、この夏期集中講座に関心のある商学部生のみなさんへ
- クラスレベルの目安は、A1が初歩、2~A2が初級、B1/B2 が中級、C1/C2が上級です。授業はドイツ語のみで実施されます。
- 商学部ホームページ:ミュンヘン・ドイツ語夏期集中講座
https://www.meiji.ac.jp/shogaku/exchange/index.html
- 派遣学生による「ミュンヘン・フォトプロジェクト」
https://www.muenchenphotoproject.com/
- ドイツ・ミュンヘン大学付属語学学校(Deutschkurse bei der Universität München)のホームページ