授業

2025.07.17

明治大学商学部「特別テーマ実践科目C(三浦市)」で三浦市の地域活性化に関する特別講義と学生発表を実施

松尾 隆策(担当教員)

2025620日(金)、明治大学商学部「特別テーマ実践科目C(三浦市)」(担当:松尾隆策)にて、三浦市の地域活性化の取り組みをテーマに特別講義が開催されました。

今回の講義には、三崎観光株式会社の柴田和義常務取締役と宮川一馬氏をお招きし、地域の現状や観光を軸とした活性化施策について詳しくお話しいただきました。

1. 特別講義(写真1、2)

三浦市は神奈川県南東部の三浦半島最南端に位置し、農業・漁業・観光を三大基幹産業とする地域です。人口減少や交通アクセスの課題、観光嗜好の変化など多くの課題に直面しつつも、地域資源を活かした観光振興と経済活性化に取り組んでいます。かつてはマグロ水揚げ日本一を誇る遠洋漁業基地であり、三崎港や城ヶ島、油壺など豊富な観光資源があります。

講義では、三浦市が目指す「6次経済」の構築について説明がありました。これは農業・漁業・観光の三つの基幹産業が連携し、地域の生産から流通・加工、サービスまで一体となった新しい経済の形です。特に「海業」と呼ばれる地域資源の活用による持続可能な産業振興が強調されました。

また、コロナ禍で減少した国内外の旅行者数が回復傾向にある中、三浦市は年間約421万人の観光客を迎えています。地域の祭りやイベント、例えば「みさきまぐろきっぷ」をはじめとする観光プロモーションが観光消費の拡大に貢献していることも紹介されました。さらに、産学官連携による多様な取り組みも紹介されました。三浦市の農業・漁業・観光を軸に、京急電鉄が展開する電動アシストサイクル「チャリピク」や、地域特産品を活かしたアウトドア料理キットの開発、デジタル化した観光切符の導入など、地域回遊促進や観光滞在時間延長に向けた施策が進められています。

課題としては、高齢化による民宿の減少や交通渋滞、観光客の回遊性の向上、市観光協会の財政基盤の強化などが挙げられました。これらに対して、地場産品のPR強化や新イベント開催、海岸の活性化実験など、地域全体での取り組みが継続されています。学生たちは、地域の実務者から直接話を聞くことで、地域活性化の多面的な課題と取り組みを深く理解でき、さらに自身での課題解決策を考え、提案を行うなど主体的な学びを体現しました。

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写真1:柴田和義常務による講義風景

(学生たちが熱心に話を聞き、地域活性化に関する理解を深めました。)

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写真2:宮川一馬氏による講義風景

(地域課題やコロナ禍の観光影響について解説がありました)

2. 学生による三浦市ふるさと納税返礼品の提案発表(写真3、4、5、6、7)

講義の後、学生グループは「くろぜむ農園」と洋菓子店「HIBA」との連携を活かし、三浦市の地域特性と農産物の強みを基にした新しいふるさと納税返礼品の提案を行いました。提案では、無農薬栽培で評判の「くろぜむ農園」が育てる完熟キウイや人参などを素材に、マドレーヌやマフィンなど健康志向・自然志向の2040代女性をターゲットとした焼き菓子の開発を目指しています。個包装で保存性に優れ、ギフトとしても適した商品で、三浦市のブランド価値向上や地域活性化に寄与する社会的意義も盛り込みました。学生たちは、地域企業と協働することで地域と大学の共創型プロジェクトとして、持続的な取組みの土台作りも視野に入れ、実践的な学びを深めました。

画像11.jpg写真3:学生による「三浦市ふるさと納税返礼品」提案の発表

(スピーカー:宋 理宇さん)

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写真4:学生による「三浦市ふるさと納税返礼品」提案の発表

(スピーカー:丸山 千里さん)

画像13.jpg 写真5:学生による「三浦市ふるさと納税返礼品」提案の発表

(スピーカー:秋間 菜緒さん)

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写真6:学生による「三浦市ふるさと納税返礼品」提案の発表

(スピーカー:酒井 勇之介さん)

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写真7:発表に対するコメント

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