授業

2025.08.21

商学部 コンサルティング実践(課題抽出フェーズ)最終報告会

樋渡 雅幸(担当教員)

■講義の概要

春学期に開講している特別テーマ実践科目C「コンサルティング実践(課題抽出フェーズ)」の最終報告会として実施した7月4日の講義について報告する。

本講義では、ポラス株式会社(以下、ポラスさま)に「クライアント企業」としてご協力いただき、提示された「現在抱えている課題」に対する施策提案を、春学期間中に行った。

受講学生は4つのチームに分かれて、それぞれコンサルティングファームとしてチーム運営を行った。

この前期のコンサルティング実践では、コンサルティングプロセスの基礎的フレームワークやプレゼンテーションスキルを学び、それを実際の企業課題(テーマ)に対する提案活動の中で実践することを主な目的としている。

■最終報告会

いただいたテーマはポラスさまの実際の分譲住宅を選択した上で、「埼玉を中心とするポラスグループの商圏外の人に対するプロモーション戦略を企画提案してほしい」というものであった。


●1チーム目(On Point Strategiesチーム)
 ○「分譲住宅」同士の比較になれば、ポラスさまの住宅が購入されるという仮説に則り、「分譲住宅」から消費者が検討を開始することを狙った啓蒙プロモーション施策を提案した。与野本町の物件を選択し、池袋駅周辺での子育て世代をターゲットとした「うちわ」配布施策を提示した。プレゼンテーション時には実際に配布を想定したデザインのうちわ現物を用意した。


●2チーム目(Future Buildersチーム)
 ○ポラスさまの主要顧客層である子育て世帯へ訴求をすべく、子育てしやすい街として有名な流山市の物件を選択した。選択した物件は、流山市に位置しながらも、南柏駅を最寄り  駅としているため、交通の便や住居価格等から流山市に住むことを諦めていた層へのアプローチを模索した。プロモーション施策として、千代田線沿線の大企業とコラボレーションしたワークショップ開催を提案した。


●3チーム目(UMコンサルティングチーム)
 ○「自分の好きなことも、家族団らんも大切にする」ということをコンセプトとする南与野の物件を選択した。ポラスさまの顧客紹介制度の割合が高いことに着目し、既存顧客会員制度と組み合わせたサイクリングイベントを実施することで、サイクリングファンの購入を促進することを提案した。


● 4チーム目(魅力満さいたまチーム)
 ○ 現在は商圏外に住んでいるものの、何らかの埼玉とゆかりのある消費者にアプローチをすることで「質の高い母集団形成」が可能ではないか、という提案実施した。具体的には、ポラスさまがトップパートナーであるJリーグの浦和レッズのファンでかつ東京で子育てをしている方をターゲットとし、対象物件も埼玉スタジアム2002から自転車で20分の物件とした。その上で、ポラスさまの物件において浦和レッズの選手と見込み客の「ホームパーティー」を実施するプロモーションを提案した。

■結果

ポラスさまは、On Point Strategies を勝利チームに選定した。

その理由は、提案された施策が具体的かつ実行可能であり、実際に作成されたうちわのデザイン案が、従来のポラスさまのプロモーションにはない新しいアイデアであったため、とのことであった。

■所感

最終報告会では全チームがプレゼンを行い、ポラスさまには実際のビジネス現場と同様に「どの提案を採用するか」という視点で評価を依頼した。その結果、学生にとっては通常講義よりも厳しい質問や指摘を受ける場となった。
特にこの春学期では、実際のビジネスの現場と大学生との間には感覚の差があるということを受講学生自身が認識することを重視した。今回の経験を通じ、学生が様々な視点や評価軸を知り、今後の学びやキャリア形成に活かしていくことを期待する。併せて、後期の特別テーマ実践科目D「コンサルティング実践(戦略立案フェーズ)」でのさらなる成長にも期待したい。


■参考写真

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■参考URL
●ポラスグループ:https://www.polus.co.jp/


以上

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