2025.10.27
経営情報学会 2025年 全国研究発表大会にて加藤拓巳ゼミ学生が研究発表
加藤 拓巳(担当教員)
2025年10月25-26日の経営情報学会 2025年全国研究発表大会にて、加藤拓巳ゼミ学生が3件の研究を発表した。
著者:岩宮悠、金井飛奈、佐藤賢介、鈴木大翔、宮本夏芽、加藤拓巳
題目:ラベルレスボトルのデザイン検討:緑茶と水を対象としたキャップの色とボトルデザイン
概要:環境配慮と消費者価値を両立するラベルレスボトルに焦点を置き、視覚情報が制限されている中での魅力的なデザインをランダム化比較試験で評価した。キャップの色の評価結果は、ラベルありボトルでは濃い色が支持された一方、ラベルレスボトルでは薄い色が高い評価になった。ラベルありボトルでは濃い味を連想させる濃い色のキャップが魅力だが、ラベルレスでは環境配慮の印象を与える薄い色が好まれると推察される。ボトルデザインでは、カラーロゴよりもエンボス加工ロゴの方が高い魅力と評価された。過度な色を加えるのではなく、透明なラベルレスボトルの特性を活かして、エンボス加工でブランドを訴求することが望ましい。


図1. ラベルの有無とキャップ色が商品魅力に与える影響

図2. ラベルレスボトルにおけるデザインが商品魅力に与える影響
著者:福島みちる、伊藤佳音、坂巻駆、中村光希、鈴木爽馬、加藤拓巳
題目:テレビ広告と比較した音声広告と電車広告の商品魅力伝達効果の違い
概要:企業の広告戦略が多様化する中、音声広告と交通広告に着目し、テレビ広告と比較した宣伝効果を検証した。オンライン調査の結果、映像のない音声広告はテレビ広告と比較して商材の魅力度に負の影響を与えたものの、音声のない交通広告はテレビ広告との有意差は見られなかった。この結果は、生成音声の違和感による影響を受けている可能性がある。また、音声広告の利用に際して、情報量を制限する手法は、商材の購買意欲向上に寄与しないことを実証した。


図3. 広告形態が商品魅力に与える影響
著者:倉田陽生、及川江里子、加藤陽眞、姜炅旼、小圷凜、加藤拓巳
題目:説明書の情報設計が製品の購買心理に与える影響
概要:日本の多くの企業は、情報量の多い紙の説明書を製品に同梱する方法を採用している。しかし、こうした過剰な情報提供は、ユーザーの直感的な操作を妨げ、情報処理における認知的負荷を増大させる懸念がある。そこで本研究は、「厚い紙の説明書と比較して、薄い紙の説明書、あるいはデジタル説明書の方が製品の魅力が高まるか?」というリサーチクエスチョンを設定した。20代-60代の600人に対して、オンライン調査環境でのランダム化比較試験を実施した結果、デジタル説明書が有意に魅力を高めた。説明をするほど消費者の利便性は低下するため、実務家は「いかに説明をなくすか?」という視点が重要である。


図4. 説明書の形式が商品魅力に与える影響



