2025.11.12
商学部からパリへ -私が出会ったラグジュアリーファッションの世界-
商学部4年 池田 遥菜〔商学部の現場〕編集部記者

永井さくら さん、ルーブル美術館にて
みなさん、こんにちは。
商学部4年〔商学部の現場〕学生記者の池田です。
今や、大学生の留学スタイルは多様化しています。語学留学や短期留学、海外インターンシップ、ボランティアなど、目的や期間、行き先の組み合わせによって選択肢は実に幅広くなりました。
明治大学でも多彩な留学プログラムが用意されていますが、その中でも商学部が主催するユニークな短期留学プログラムをご存じでしょうか。
今回は、そのひとつである「フレンチファッション・プログラム」をご紹介します。
本プログラムは毎年2月に実施されます。パリのファッション・ビジネススクールで行われる約2週間の集中講義で、ラグジュアリーブランドのマネジメントを中心に学びます。講義を受けるだけでなく、実際にブランドのアトリエやブティックを訪問することで、理論と現場の両面から理解を深められるのが特徴です。
今回は、よりリアルにフレンチファッション・プログラムの魅力をお伝えするため、2024年に参加した永井さくらさんと、2023年に参加した記者・池田による対談をお届けします。
池田: 私は高校生の頃からラグジュアリーファッションに興味があって、将来は憧れのブランドで働きたいってずっと思っていたんです。受験生の時にたまたま明治大学のパンフレットを見ていたら、フレンチファッション・プログラムの紹介が載っていて、「絶対これに参加したい!」って思いました。そこから、明治大学商学部を志望したのがこのプログラムに参加したきっかけでした。
さくらはどうして参加しようと思ったの?
永井: 私も、もともとファッションやファッションビジネスに興味があって、第二外国語でフランス語を履修していたこともあり、すごく惹かれたんです。2年生のときに、ファッションビジネスの授業を取っていたこともあって、その先生がこのプログラムを担当されていると聞いたのも大きかったです。それに、ファッションだけじゃなくて香水に関する講義もあるって知って、「そんな授業もあるんだ!」ってびっくりしました。
あとは...、はるな(池田)のおかげかな。1年生のときに話を聞いて、「楽しそう!」と思ったのが大きかったです。
池田: そうだったんだね。確かに、私も香水の授業はすごく印象的だったな。
「香りのピラミッド」っていう考え方があって、香水はトップ・ミドル・ベースの3段階で構成されているんです。時間が経つごとに香りが変化していく仕組みで、最初に感じるトップノートからだんだん奥行きが出てくるのが面白かったです。
それに、香水って主成分によってカテゴリーに分けられていて、たとえばフローラル系とかウッディ系とか。今までは「なんとなく好きな香り」って感じだったけど、自分がどんな香りを好むのかを細かく分析できるようになりました。
さくらは、どんな授業が印象に残っている?

フラゴナール香水博物館でのレクチャー風景
永井: 私は「ブランドのDNAコード」に関する授業が印象的でした。
ブランドごとに、ロゴやカラー、店舗の内装まで、すべてに一貫したコンセプトがあることを学びました。それが消費者の心理にどう影響するかを考えるのがすごく面白いと思いました。実際に講師の方が店舗見学にも連れて行ってくださったので、座学だけじゃなく、リアルな空間を見ながら理解を深められたのも良かったです。
池田: うん。アトリエやブティック、展示会に行けたのもすごく良かったよね。私は、大好きなブランドの本店に行けたのが本当に嬉しかったな。
研修の内容だけじゃなくて、パリでの思い出もいろいろあると思うけど、特に印象に残っていることってある?
永井: 課外活動で美術館巡りをしたのがすごく印象に残っています。ルーブル美術館をはじめ、全部で5つくらい回ったんですけど、オルセー美術館で大好きなゴッホの『星月夜』を生で見られたのが最高の思い出です。
それから、街中では英語だけじゃなくてフランス語で話してみることにも挑戦しました。飲食店では英語とフランス語の2種類のメニューが用意されていることが多いんですけど、せっかくだからと思ってフランス語で注文してみたんです。うまく通じて嬉しかった時もあれば、なかなか難しくて笑っちゃう時もありました。
逆に、日本語を教えてあげる場面もあって、言葉を通して人と繋がれたのが嬉しかったですね。
あとは...ホットチョコレートをめっちゃ飲みました(笑)。ホテルでも無料で飲めたし、カフェに行くたびに頼んでいたので、たぶん合計で15杯くらい飲んでいました。

本場のホットチョコレート
池田: フランス、本当に満喫できたよね。私は初めての海外だったから、全部が新鮮で刺激的だったな。特に印象的だったのが、パリのビジネススクールの学生たち。みんな自分のやりたいことがはっきりしていて、「将来はこの仕事をしたい」って目標を持って勉強しているんだよね。それに比べて、日本人は少し遠慮しがちだなって感じたの。先生たちも「もっと反応して!」っていう雰囲気だったし(笑)。でも、それがすごく良い刺激になって、私もこれからは受け身にならずに、自分からどんどん質問したり意見を言ったりしたいなって思った。さくらは、参加してみて心境の変化とかあった?
永井: ありきたりかもしれないけど、一言で言うと「視野が広がった」かな。
講義で学んだことはもちろんだけど、ファッションもアートも街の雰囲気も、全部が刺激的だった! あと、フランス人って本当におしゃれなんですよ。服はシンプルなのに、小物づかいや差し色がすごく上手で。街中で「このコーデ素敵!」って思った人のスタイルを、こっそりメモしていました(笑)。今でもファッションの参考にしています。
それに、有名ブランドに向けて提案やプレゼンをする機会もあって、自分の考えを形にして発表する経験ができたのはすごく貴重でした。

プレゼンテーションの様子
池田: このプログラムを通して、ラグジュアリーファッション業界で働きたいって気持ちがますます強くなったよ。英語もフランス語もまだまだだけど、これからしっかり勉強して、いつか仕事でパリに来られるようになりたいなって思っている。
永井: 私はファッションとはまったく違う業界に就職する予定なんだけど、この留学で学んだ海外ビジネスやブランディングの考え方って、どんな業界でも活かせると思う。
それに、やっぱりファッションが好きだから、いつかまたアパレル業界に関わる機会があったらいいなって思っている!
池田:今回は、対談ありがとうございました。
今回の対談を通して、4年制大学の学びの中で、ラグジュアリーファッションビジネスに関する専門的知識を深め、さらに短期留学による実践的な経験を積めるという点に大きな魅力を改めて感じました。
この記事を通して、その魅力が少しでも伝われば嬉しいです。



