ゼミ

2026.06.18

農商連携の学び ―浅賀ゼミが植物工場に関する合同ゼミを生田キャンパスで―

浅賀 宏昭(担当教員)

 総合学際演習室の浅賀ゼミは、今年も春休みに農業と植物工場に関する学びの機会を得ることができた。総合大学の長所を活かした学際的な研究会となったので報告する。
 経済産業省の先進的植物工場施設整備費補助事業によって建設された明治大学植物工場基盤技術研究センターが生田キャンパスにある。農商工連携がコンセプトで、センター長を農学部の池田 敬教授が務め、センター員と運営委員には商学部からも鳥居 高教授と浅賀 宏昭が参画している。この縁で浅賀ゼミは、農学部の池田研究室と共に学際的な学びの機会を創ってきた。今年(2026年)は3月17日(火)午後に池田教授のお取り計らいで、浅賀ゼミの学生を生田にお招きくださった。
 生田の新校舎・センターフォレストの綺麗な階段教室に集まり、まず池田先生による企業とのコラボレーションの話を聴いた。現在は4社(大和ハウス工業株式会社、昭和産業株式会社、株式会社クラレ、株式会社バイテック)と共同研究契約をしているという話であった。以下はその概要である。
 大和ハウス工業は、「agri-cube ID」という植物工場を開発し、社会課題の解決を目指しているという。「農業の工業化=植物工場」という説明があったが、農業の問題点を的確に示しているのでわかりやすく、興味深かった。
 昭和産業は、鹿島第二工場内に人工光型植物工場を運営し、リーフレタスなどを生産している。農業生産の「4定(定時、定量、定品質、定価格)」を実現し、生産品目のさらなる拡大も目指しているそうである。この4定は植物工場ならではの実現目標である。
 バイテックは、植物工場を活用して生産した野菜をCOSTCOにも供給している。これに関連して池田先生は、農作物は傷みやすく価格も変動しやすい特徴があるので、農産物マーケティングの研究を商学部生に期待していると話された。 
 クラレは高分子材料を活用し、共同研究ではアンブレラ型と呼ばれる特徴ある形をした装置でポリビニールアルコールの泡を用いた世界初の溶液栽培技術を開発している。既に特許を獲得済みで、軽量化できる装置でもあり、宇宙農業でも期待される。土耕、水耕に次ぐ、第三の栽培技術となる可能性を持つ画期的な研究である(詳しくは、日本農業新聞2025年11月2日付を参照)。
 普段とは違った内容の話を聴いたためか、商学部の学生からさまざまな質問が出た。なかには的外れな質問もあったが、幸いなことに池田先生が丁寧に回答して下さった。
 続いて農学研究科の大学院生・馬場みゆきさんから、海外大学とのコラボレーションの話を聴いた。植物工場を活用してベンサミアナタバコをバイオファーミングさせる、すなわち外来タンパク質を植物体内に浸潤、浸透させて増殖し、原薬となる有用物質を生産させる話であった。安全性、スピード、汎用性の面で優れているものの、日本はこの技術の分野で遅れているという。製造コストも最大90%削減可能で、これまで数年はかかったワクチンの製造も数週間で可能という夢のような話であった。植物工場は、主に食料生産に活用されてきたが、他分野への応用の好例であり、植物工場の活用目的が多様化していくことを感じることができ、大いに刺激を受けた。
 以上の話を教室で聴いた後、池田研究室の学生の皆さんのご案内で、温室および植物工場基盤技術研究センターの施設へ移動して研究の一端を見学させていただいた。さまざまな解説をしていただいたが、商学部生によれば温室内で花粉を受粉させるために生きたミツバチを使っているという話が印象的だったという。
 最後に、センターフォレストの入り口近くの階段のところに集まり、記念撮影を行った。

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記念撮影。最前列右から5人目が池田教授、6人目が浅賀。2列目右から4人目が馬場さん。

 最後に、このような会を開催し、共同研究の話をしてくださった農学部の池田 敬教授と大学院生の馬場みゆきさん、ならびに研究施設をご案内くださった池田研究室の学生の皆さんに心より感謝申し上げる。

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