授業

2021.02.25

特別テーマ実践「ビジネス実践」 地域課題解決「神奈川県三浦市の空き家物件をリノベーション-地域活性化へ向けて-」

齋藤美和子(担当教員)

 ビジネス実践の成果報告会では「神奈川県三浦市の空き家物件をリノベーション-地域活性化へ向けて-」というテーマのもと、4チームに分かれて課題解決提案を行った。授業には三浦市役所の職員の方、三浦市で地域活性化事業を手掛ける波止場商店の皆様にご協力いただいた。また三浦市の現地フィールドワークにおいて視察を行っていただき、グループワークにも入り学生とディスカッションをしていただいた。

 リノベーション物件は波止場商店が提供してくださった「みやがわベーグル」の物件になった。この地域課題を大学生の視点で解決していく。それぞれが課題に対して仮説を立て、そこに基づきデータを収集し、自分たちの提案につなげていった。中間発表、最終発表では三浦市の市役所の方・波止場商店の皆様に授業にお越しいただき、学生のプレゼンテーションを講評していただいた。その他授業に複数回ご参加いただき、学生からの質問に答えていただいたり、アドバイスをいただくなどの機会を設けた。

  • 1グループは、「三浦市を消滅可能性都市(20~39歳の女性の数が2010年から40年にかけて5割以下に減る自治体)から外す」という目的達成のために「3step marriage hunting〜三浦の出会いで始まる恋の旅〜」をテーマに発表を行った。若年女性と若年男性に三浦市で結婚につながるような出会いを提供し、成立の特典として三浦市にある住居を貸し出せば、三浦市に移住してくる女性が増え、消滅可能性都市から外れることができるのではないかという仮説に基づき提案を行った。既存スペースは参加者同士が交流できる場所として使用する。アイディアにオリジナリティがあり学生らしさが感じられた点や、初期投資が少なくて済む点が評価された。

  • 2グループは、「三浦市を訪れる観光客の滞在時間が少ない」という問題に着目し、レジャー施設を増やせば一日の滞在時間が増えて地域に賑わいが生まれるのではないかという仮説のもと、「宮川フィッシング」と題した釣り体験施設の提案を行った。自然を生かせる、コロナ過の中で外遊びである釣りの需要が増えているという背景をうけ、既存の空き家を釣り具の貸し出しスペースや釣った魚を食べられるスペースとして活用する内容であった。三浦の自然を活かした内容であることと、海釣りへのハードルを払拭できる点が評価された。

  • 3グループは、「デュアラー(二拠点居住者)応援プログラム会場」としての提案を行った。近年デュアラーと呼ばれる二拠点生活をする人が増加しているという状況を受け、なかでも都会育ちで故郷と呼べる場所がない、もしくは自分や配偶者の故郷を大切にしたい人を対象に企画立案を行った。いきなり移住をするには抵抗があるが、まずは第二の故郷を作ってもらうというコンセプトのもと、三浦の空き家を活用することにより、若者を呼び込み街に活気を生むことを目的とした。結果として二拠点居住者と地元の人の交流が生まれ、地域に活気をつくることができると締めくくった。コロナ下で注目度の増す「デュアラー」に着眼した点や移住ではなくデュアルライフといった切り口が評価された。

  • 4グループは、「神奈川県の他の地域(横須賀・逗子・葉山・鎌倉など)と比較して三浦市の観光客が少ない」という課題に着目して「プラネタリウム型レストラン」の提案を行った。都心から近いが星が綺麗という点と、三浦の食材を活かしたメニューの提供ができるという点に着目。先行事例の研究も詳細に行い、他地域にはない三浦の魅力を引き出しプラン内で実現した。また費用面の算出を細かく行ったことが評価された。
三浦市職員の皆様、波止場商店の皆様と
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