2025.06.24
ゲストスピーカーによる特別授業実施報告:佐谷孝行 氏・澤田ちひろ 氏【テーマ:カカオプラットフォームの取り組みとSDGs】
所康弘(担当教員)
1.実施日
2025年 6月 18日(水)5限(17:10-18:50)
2.実施場所
和泉キャンパス 図書館ホール
3.科目名
商学専門演習(所康弘ゼミ)
4.ゲストスピーカー
佐谷孝行 氏(独立行政法人国際協力機構(JICA)中南米部 南米課)
澤田ちひろ 氏(独立行政法人国際協力機構(JICA)ガバナンス・平和構築部 ガバナンスグループ 法・司法チーム)
5.実施内容
(1)講義の目的
本授業は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が事務局を務める「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」の取り組みを通じて、ラテンアメリカを含むグローバルサウスが抱える課題と、持続可能なビジネスの可能性について考察することを目的として実施された。
特に、カカオ産業が直面する社会的・経済的・環境的な問題と、それに対する解決アプローチを学ぶ貴重な機会となった。
(2)講義内容の概略
本講義は、大きく以下の3つの柱から構成された。
① カカオ産業が抱える課題
カカオ産業が直面する主要な課題について説明があった。具体的には、児童労働、貧困と経済的脆弱性、環境問題の実例が共有された。
② サステイナブル・カカオ・プラットフォームの紹介と活動事例
JICAが2020年に設立した本プラットフォームには、2025年5月時点で74団体・148名が参加しており、民間企業、NGO、大学、政府機関など多様な主体が連携している。児童労働撤廃分科会やトレーサビリティ分科会などの実務的な活動を通じ、課題解決への具体的なアプローチが説明された。
③ エクアドルにおけるカカオ産業の課題と対応策
南米エクアドルのカカオ産業の基盤強化に向けては、生産性の向上と品質の改善などが不可欠であることが強調された。
(3)学生たちの学び
今回の講義を通じて、受講生たちは、カカオやチョコレートといった身近な食品の背景に、グローバルな課題が存在していることを実感した。また、消費者の選択が社会課題の解決に影響を与える可能性について理解を深め、SDGs(持続可能な開発目標)について学ぶ学生として、より多角的かつ実践的な視点をもって社会課題に向き合うことの重要性を学んだ。