2022.03.10
地球の反対側の人々とSDGsを考える ~PUENTE(プエンテ)の編集制作
所 康弘(担当教員)
PUENTE表紙
2021年度、所康弘ゼミナールでは、「持続可能な開発のための目標(SDGs:Sustainable Development Goals) 」について、複数のテーマを取り上げて、研究を行いました。
今回、商学部実践企画の一環として、それぞれの成果をまとめて、冊子をつくりました。計22ページからなる冊子のタイトルは、「PUENTE(プエンテ)」です。
スペイン語の単語ですが、日本語では「かけ橋(KAKEHASHI)」という意味になります。大学生の目線からSDGsに関する研究をすすめ、それを日本のみならず、ラテンアメリカ・カリブ諸国の人々にも発信することを目的にしました。
私たちは5つのグループに分かれて、研究をすすめました。各班の問題意識のもと、SDGsの17の目標からいずれかの項目を選び、それに沿ってテーマを絞り込み、論点を掘り下げました。各グループの具体的なテーマは次の通りです。
グループ1:「ジェンダー平等社会の国際比較」 (目標5.ジェンダー平等を実現しよう)
PUENTE グループ1
グループ2:「水道インフラ問題の国際比較」 (目標6.安全な水とトイレを世界中に)
グループ3:「日本の持続可能な水産業と環境保全」 (目標14.海の豊かさを守ろう)
PUENTE グループ3
グループ4:「日本の持続可能な森林経営」 (目標15.陸の豊かさも守ろう)
グループ5:「ドミニカ共和国の持続可能なカカオ産業」 (目標1.貧困をなくそう)
PUENTE グループ5
グループ1、2の両班は、駐日キューバ共和国大使館様のご厚意により、館内で成果発表をする機会を設けていただきました。大使館の皆様には、心より御礼を申し上げます。
グループ3、4の両班の研究では、海外協定校であるメキシコのグアダラハラ大学との研究交流のための予算として、メキシコ・日本の両政府の友好基金から助成金を受託させていただきました。この助成のもと、駐日メキシコ合衆国大使館様のご協力をいただき、2日間にわたる国際セミナーを開催しました。大使館の皆様に感謝申し上げます。
グループ5の研究では、駐日ドミニカ共和国大使館様より、多大なるご支援を賜りました。大使館に訪問させていただき、直接、ロバート・タカタ特命全権大使と意見交換をする機会を設けていただきました。また、大使には大学にお越しいただき、ドミニカ共和国の歴史、文化、カカオ産業の話題に触れながら、SDGsの達成にむけた取り組みの重要性をレクチャーしていただきました。心より御礼申し上げます。
ドミニカ共和国大使のゼミ特別授業
今回、私たちの研究によって明らかになった課題を、今後、SDGsの目標実現にむけた取り組みの中でどのように具体的な政策と結びつけていけばよいのか。そして、課題解決のために日本の国際協力の枠組みとどのように連携して、現実化していくことができるのか。この点の考察を深めることができず、今後の研究課題として残りました。引きつづき、所康弘ゼミナール全体で検討していければと考えています。
現在、新型コロナウィルス感染症のパンデミックが、ラテンアメリカ・カリブ諸国を含めて、世界中を襲っています。一日も早い感染収束を願うと同時に、このささやかな小冊子が、遠く地球の反対側の人々とグローバルな諸課題をともに考え、ともに行動するための一助になることを祈っています。